したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

フランス語フランス文化質問箱

91:2007/09/03(月) 19:43:32
御礼
 さっそくのご返事有り難うございます。実は3日ほどパリに行っていて先ほど戻りました。パリにいる知り合いと食事しながらユニヴァーサリズムの話題について議論しましたが、フランス人には当たり前であって、日本人がアメリカに対しNOと言えない不自由さ、もどかしさを理解するのは難しいようです。氏のご指摘の通り、フランスでの優秀な生徒がグランゼコールに行くというのは、聞いてはいましたが、実際に若者に数学が嫌いになる理由の一つだと言われると辛くなります。ただ政治家・官僚にロジックを使える人が多いというのは大切だと思います。日本の政治家のように言動が矛盾していることを指摘されても、それが理解できない、もしくは何の罪悪感も感じないというのは、一般庶民からすると問題だと思います。
 ご存じのように数学では、小学校段階の算数から「同一視」という概念を気がつかない内に導入していきます。それが僕には人間の平等概念を形成するのに大きな役割を果たすと思われるのです。
 第2次世界大戦中、多くの優秀な科学者がアメリカに転住しました。ところがマッカーシーの赤狩り以来、アメリカの大学研究者の言論が一部封じ込められた感があります。理系はそんなことないのだろうかと思っていたのですが、僕が学生時代興味を持ったクルト・ゲーデルというロジシャンは、「ニューヨークの市民憲章は矛盾しているが宣誓せざるを得ない。」と言い、彼の哲学分野の研究も最後まで未発表のまま、ほぼ自殺に近い餓死という形で生涯を閉じました。数学基礎論の哲学的な側面はゲーデルの死後一切無くなり、ただの数学になってしまったのです。残念でなりません。
 ここからは推測ですが、ケンブリッジで教えていたヴィトゲンシュタインが大学を去ったことや、ブルヴァキの中心になってバリバリ研究をしていたグロダンディエックが行方をくらませたのも関連がある気がしてなりません。
 僕はアメリカに自由があるとは思えません。WASP達が恐れているのは、世界をひっくり返すような科学研究が、自分たちと反対サイドの人間によって達成されることではないかと思います。ビル・ゲイツが早々と引退してしまった(政治的活動に関わらないまま)のも陰で何らかの動きがあったか、それを恐れてではないでしょうか。
 ケネディ暗殺を例に出すまでも無く、自分たちの利害に反する者は例外なくたたきつぶすというのがアメリカの本心と思われます。田中角栄がつぶされたのも明らかに中国外交でアメリカの意志に逆らったからではないでしょうか。
 その恐ろしさを知っている自民党の一部の議員がアメリカにNOと言えるわけがありません。だからこそ、「筋が通らないものは誰が何と言おうとだめだ。」というフランス人のスタンスに清々しさを感じるのです。
 今アメリカの数学教育界は大きく動こうとしています。日本の指導要領のようなアメリカ全体で統一的なもの(スタンダードと呼ばれています)を作り、今のところ強制力は無いのですが、そのうち強制する割合が増えていくでしょう。また優秀な教員を育成するために、日本の出来のいい模範授業のDVDを無料で配布し、授業研究をさせています。日本のように研究授業後に反省会を開き、夜になって飲み会でまで議論を戦わすなんて信じられなかったアメリカ人教師がお互いの授業を見合うようにまで変わってきたのです。
 アメリカの大学では優秀なチャイニーズやインディアンが闊歩していますから、相当恐れているのではないでしょうか。
 最後に僕は数学ではなくて、数学教育の研究を続け、できましたら弱い立場にいる人達(例えばフランスが支援をしているアフリカの人達など)が数学教育のレベルを上げることによって豊かな国作りを行える手助けをしたいと考えています。
 よろしければまたのご助言をお願いします。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板