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フランス語フランス文化質問箱

89Sekko:2007/09/01(土) 00:45:58
どうなんでしょうね
 フランスが、数学の成績によって、生徒を選別するのは知られていますが、優秀な生徒は結局、グランゼコールの準備クラスから、エンジニアのグランゼコールに行ってしまって、大学の数学科には人が集まらないと言われています。大学院のレベルでは、グランゼコールの卒業生が入ってくることも少なくなく、また別なんですが。フランスゴのエンジニアは、日本語や英語のエンジニア(フランスではTechnicienと呼ばれます)と違って、理系管理職予備軍というか、エリートの異称で、新卒で就職した時点から、出身学校のレベルによって給料に差がついたりするんですよ。

 数学教育の王道なら、やはり数学のアグレガシオンをとることで、これは、出身によっての差別はありません。ENSの数学科はエンジニアのポリテクより難関と言われています。

 今、日本にいます。最近、マイケル・ムーアの『Sicko』を観ました。カリカチュラルなんですが、アメリカのつらい状況を見せつけられた後で、フランスの様子がうつると、何か胸に温かいものがこみ上げてきました。ヨーロッパの保険制度がカトリックの信心団の互助組合のメンタリティと関係のあることを思うと、マイケル・ムーアがアイルランド系カトリックであることも偶然じゃないかなあという気がします。

 フランスも、診察料、20ユーロが21ユーロに引き上げられたかと思ったら、最近また22ユーロに引き上げられました。個人負担が1ユーロです。昔は全額返ってきましたが・・・保険システムの破綻はカナダ同様うるさく言われているんですが、アメリカのような事態には戻らないでしょう。
 映画の中で、パリの中流家庭と紹介された家族は、夫がエンジニア(つまりエンジニアの国家免状を持っているエリート)で夫婦の収入が7000ユーロ以上と言っていましたから、すごく普通の人たちではないですね。でも、マイケル・ムーアはフランスで好かれているので、サーヴィスしてるんでしょう。『華氏911』よりは丁寧にうまく創られています。キューバを褒めてたわりには、WHOの健康保険充実度のランキングで37位のアメリカより下の39位とあったのがちょっと気になりました。チェ・ゲバラの娘が小児科医として出てくるのは感慨深いでした。

 病や怪我は、それだけで、自尊の念が傷つきます。そんな局面で金とか格差が露になるシステムは、やはり間違っていますね。サルコジのネオリベ体質も、日本のことも心配です。

 コミュノタリスムとユニヴァーサリスム関係の分かりやすいフランス語の本はいくつもあると思います。それと数学教育の関係は分かりませんが。私がフランス語で書いたものはバロック音楽におけるユニヴァーサリスムならありますが、あまり意味はないでしょう。9月半ばにフランスに戻るので、またあらためてお返事します。


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