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フランス語フランス文化質問箱

71Sekko:2007/03/12(月) 05:22:46
シラクの言葉
 ついさっき、TVでシラクがようやく大統領選への不出馬を表明した。第五共和制になってから自らの意思で権力を手放した大統領は始めてなのだそうだ。そういえばそうかとびっくりした。不出馬の正式表明を延ばしてたのは、ヴィルパンがサルコジを支持すると言わなくてもいいように配慮していたのだと私は考えていた。結局、今日も、予想通り、サルコジ支持はしなかった。その代わり、無難というか、ユマニストでソシアルで、共和国的なメッセージを残し、文句のつけようがなかった。言ってることとやってることは違うとも揶揄されるが、共和国理念を堂々と完璧に話すだけでも意義がある。セゴレーヌやバイルーやラファランやル・ペンがコメントしていた。前はル・ペンを見るのもいやだったが、今は、78歳でこの意気盛んな様子、ある意味で敬服。今見るのもいやなのはサルコジだ。
 TVではじめシラクを見てたら、なんだかミッテランの時のデジャヴの気がしてきた。輪郭や禿具合がそっくりになってきてる。大統領になるとこうなるのか、右傾から社会党首になったミッテラン、左傾から保守になったシラク、二人とも、大統領を二期やってるうちに、「共和国の子」の顔になった。さっき、シラクは、フランスは世界の経済格差是正についてもがんばるようなこともちらっと言っていた。彼は現にアフリカ諸国から好かれているから意外でもないのだが、こういうときにこういうことを元首がちゃんと言える国というのはうらやましい。自分の国の貧しい部分を切って捨てたり「美しくない」とか思っている国の首長なら、世界の貧しい国のことに言及しないだろう。そういえば、わりと最近、アメリカのキッシンジャー元国務長官ら数名が、世界の核兵器をアメリカも含めてすべて廃絶せよという宣言を出していた。それを読んだとき、なんだか悔しかった。あんたに言われたくはないと言うより、何でこういうことを日本人が言わないんだろう、と思ったのだ。冷戦のときは物言えば唇寒し、というか、核の傘に入れてもらっているということで言いにくいのは分かるが、キッシンジャーですら、全廃棄が平和への唯一の道ととにかく口にする時代になったのだ。北朝鮮に対抗して自分たちもいまさら核武装なんていう声が聞こえる日本って・・・
 もし唯一の被爆国として、地球の片隅からとにかく核兵器全廃絶とずっと唱えていたならば、よそはともかくその日本にもう一度核爆弾を落としたらどんな国でももう国際社会ではやっていけない、という無言の国際合意を作れていたかもしれないなあといつも思わざるを得ない。「フランスには世界の公正と平和のための使命がある」と大統領がTVで熱く語れる国って、たとえGNPが下がっても若者の「暴動」が起こっても、「襤褸は着てても心は錦」って矜持があっていい。理想や原則って、やっぱり大事だ。


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