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フランス語フランス文化質問箱

70Sekko:2007/03/07(水) 00:58:46
大統領選荷ついて
 ここに来てフランソワ・バイルーが頭角を現してきた。サルコとセゴのあくの強いやり取りにうんざりし、どちらも大風呂敷を広げるのが不信感をそそるので、中道のバイルーが新鮮に見える。また、首相はともかく、フランス人は大統領には父親像を伝統的に求めている。サルコもセゴもそれを満たさない。バイルーにはそれがあり、吃音を克服したというやや訥々とした話し方も誠実そうに聞こえる。立て板に水のサルコや、妙に軍人っぽいセゴとは違う。教養のある教育者という雰囲気もある。サルコは、貴族の家系なのに品格がなく、自力でのし上がったとさかんに言っているが、本当にいかにも他人をだましたり押しのけたりして成功したという雰囲気をかもし出している。TVにも映ったが、何か都合の悪い質問をした女性に対して、「T’es qui,toi?」などと答えたことがある。フランス語には Bon pere de famille という表現があって、礼節を持って多者をリスペクトして常識的にふるまうことを「家庭の父としてふるまう」と言う。サルコにはそれがない。彼のその品のなさ、はある意味では一種の魅力でもあるのだが、それゆえに彼はリスペクトされない。バイルーも小柄だが、バイルーをちびだと言う人は一人もない。サルコだけが、はっきり言って気の毒になるほど、背が低いとからかわれている。サルコが体現しているのは父親像でなく、彼自身がクズと呼んで物議をかもしたチンピラ像なのだ。今から思えばジスカール・デスタンは若い大統領だったが背が高く髪が薄く雰囲気が老けていた。ミッテランも髪が薄く若くなかった。シラクは若い頃はぎらぎらしていたが、パパ・シラクとよばれ角が取れたイメージでようやく大統領になれた。その意味では、少し若いが、ヴィルパンは上品だが戦える父親像に適っていたがシラクに使い捨てにされた。サルコが大統領になっても閣僚にはならず、アメリカでアル・ゴアがそうしたように在野で独自の活動をすると彼は言っている。ゴアが環境問題でしたことを自分は世界平和のためにやると言っていた。その方がヴィルパンには似合っている。政治の世界を泳ぐには彼は上品すぎるからだ。フランス人は、190cm台ならとても背が高い、180cm台なら長身、170台は普通、という大まかな感覚があるが、ドゴール、ジスカール、シラク、ヴィルパンと、とても背が高い政治家がけっこういた。だからサルコの小柄が目立ち、シラクとヴィルパンの長身コンビと比べられて揶揄されるのだが、要は人柄だ。温かみのアルバイルーを見ててそう思う。サルコは、額に汗して働いている人が国からアシストされている人よりも稼げないのはおかしいという、ピューリタン成果主義みたいなことを平気で言って、そういうことをフランスで言う政治家は少ないので、一定の支持を受けている。ル・ペンが、うちの子がよその子より優遇されないのはおかしいという論理を打ち出したのと同じだ。サルコが大統領になったら、フランスも、生活保護は最低限のお情け、施しであり、働く人が税金を注ぎ込むのはおかしい、というどこかの国みたいになるだろう。フランスはアベ・ピエールを失って孤児になった。みんなが新しいお父さんを求めている。その気持ちがバイルーに向かえばいいのだけれど。バイルー大統領ならボルローの続投やヴィルパンの外相返り咲きもあり得るかもしれない。


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