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フランス語フランス文化質問箱

404sekko:2012/06/01(金) 06:30:46
親独というより反ユダヤは追及されます。
ドイツ人女性とアメリカの占領軍GIの黒人兵との間に生まれたブラウン・ベビーのことについて前にブログに書きました。

http://spinou.exblog.jp/16856252/

これに比べたら、フランスでの「ボッシュの子」たちは、外観の違和感がない分、いったん養子縁組をされれば普通のフランス人として育ったのではないでしょうか。対独協力者の弾劾というのはもちろんあっても、子孫に及ぶとかいうのは聞いたことはありません。

ただし、日本でも昨年の東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞をW受賞した『サラの鍵』(ジル・パケ=ブレネール)という映画で語られたように、フランスでも戦中に着の身着のままで自宅から追放されて収容所に送られたユダヤ人がいて、彼らのアパルトマンにそのまま住みついたフランス人などがたくさんいたわけです。

経緯がはっきりすれば、そうして取り上げられたユダヤ人の財産はその係累などに返還されるはずです。でもこの映画にあるように、次の世代はそれを知らない場合もあるわけで、すべてをトレースすることは不可能でしょう。

そのように、ユダヤ人から不当に取り上げた財産と違って、単に親独だったという市井の人たちは大抵は保身のためですから、まあ、グレーゾーンのまま時代によって転身しているのだと思います。戦後すぐは、そういうやましい心をごまかすスケープゴートとして、ドイツ人の子供を生んだ女性などがリンチされたんでしょうね。

韓国が今頃親日を糾弾するというのはまた別の政治的意図に基づくんでしょうが、ちょっと相手を間違えているというか、よく分からないですね。過去の過ちの弾劾というのは、そのやり方や表現によってはとても不毛なものになって単に憎しみの連鎖になると思います。

一方、『サラの鍵』のようなすぐれた映画は、これまで何度も見た収容所の悲惨な様子のドキュメンタリーなどよりも、私には強烈に内省を促してくれました。規範的な批判よりも、自己改良のプロセスを発動させてくれるような表現を共有したいです。

http://setukotakeshita.com/


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