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フランス語フランス文化質問箱

35Sekko:2006/06/08(木) 22:13:39
コメディ
 コメディのこと書くのを忘れました。ジェリコーとコメディは関係ないです。ジェリコーはむしろトラジェディー。
 最近、フランス映画のコメディを3本立て続けに見ました。私は普段あまりコメディ好きじゃないのですが、この頃、ちょっと、毎日馬鹿笑いしようと決めて、ジョークを収集したり、コメディを見ることにしたんです。それで、英語だと細かい笑いのつぼが分からないので、字幕を読むのも面倒だし、フランス映画にしました。『Essaye-moi』と『Quatre Etoiles』と『Maison du bonheur』です。結局一番面白かったのは『Essaye-moi』でポエティックとヴォードヴィルがよい具合にまざっていて、背景はむしろアメリカの郊外の町みたいでフランスっぽさがないのに、微妙にフランスっぽく、上質でした。これで充分笑えたので、力を得て、次の映画に行ったら、がっかり。ルービッシュとホークスとヒチコックを合わせたようなユーモアと様式と感動をということで期待したのですが、完璧に外れてました。まず、ヒーローの詐欺師がジョゼ・ガルシアなんですがいくらうまくておかしくても、全然共感できないのです。ハリウッドの猿真似でしかない。何が決定的に違うかといえば、ケーリー・グラントじゃないということに尽きます。ルービッシュとホークスとヒチコックを成功させるには、ケーリー・グラントのような「お約束」のキャラクターが必要だということがよく分かりました。ケーリー・グラントがでてきたら、どんな不真面目そうな詐欺師でも、ほんとは純粋で傷つきやすい心を持ってるんだろうとか、ヒロインはきっと恋するに違いないとか納得できるんですが、ジョゼ・ガルシアなら、ヒーローになりきれないのですね。これなら『Essaye-moi』で最初から変人の純粋君として出て来るフランソワ・マルタン・ラヴァルの方がまし。教訓=フランス人はケーリー・グラントのキャラはあわない。
 最後は芝居を映画化したダニー・ブーンのコメディで、購入した別荘の工事がめちゃくちゃになるという話ですが、これはまたフランス的過ぎて、笑えない。フランスに住む人なら誰でも身に覚えのあるような工事の不手際とか、不動産購入のリスクとか、身近な人の小さな裏切りとか、身につまされるところがあって、観客も、個人史の違いによって、それぞれ違うシーンでげらげら笑っていました。見終わった後も、あれよりはうちの方がましだよなあとけちな満足感が残るなんて、拍子抜け。ゲラゲラ笑えて、幸せ感が残り、ちょっとほろりなんてコメディは、天才が自作自演しないとだめかも。その意味でフランソワ・マルタン・ラヴァルは注目。ちょっと古いんですが日本で観れたらお勧めです。


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