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フランス語フランス文化質問箱

269Sekko:2010/09/20(月) 23:48:42
フランス左翼と外国観
 このテーマ、特に共産主義や中国への愛憎については、別に今フランスに住んでいる私に聞かなくとも、いろいろなところで知ることができます。リベラシオンとの関係も、サルトルの思想的立場の変遷についてでも検索してください。

 ソビエト共産主義へのラブコールと、それがスターリン批判で裏切られたこと、でも、文革による「夢をもう一度」の勘違いと毛沢東へのラブコール、それに続いた68年五月革命の高揚、その後、文革がやはり狂騒として処理された後、そこに、アルジェリア独立戦争のトラウマも絡んで、フランスのインテリ左翼たちは、盛り上がりと失望と転向を重ねてきました。
 その欺瞞感は、日本の60年安保の活動家の転向や、その後の全共闘世代の学生運動家の逸脱や転向の罪悪感よりももっと根が深いと思います。

 BHL(ベルナール・アンリ=レヴィ)あたりからはじめて、あまり自分を傷つけないで転身ができるタイプのポストモダンでデジタルな知識人が出てきたかもです。

 それに、フランス左派の場合は、自分たちの原点である「フランス革命」ですら、最後は恐怖政治に終わったことなどを知ってるわけですから複雑です。
 毛沢東は文革をパリコミューンにたとえて、人民公社もコミューンだと言っていましたから、フランス人の自尊心をくすぐったかもしれません。これに加えて、私の『無神論』でも少し説明しましたが、左翼と無神論、反宗教、共産主義シンパは密接に結びつく伝統もあったので、エールを送っていた外国が失敗するたびに傷が深くなったようです。

 今、フランス人が、ダライラマを支持して、中国のチベット侵略を熱心に糾弾する傾向にあるのは、毛沢東主義に傾倒した「失敗」や、フランス社会におけるイスラムの台頭によって揺らいだ無宗教主義の弱さの自覚を、どちらもまとめてごまかせるからかもしれないなあ、と思うときがあります。

 政治的には、フランスの共産党の運命と日本の社会党(社民党)の運命が何か重なって見えますが・・・


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