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フランス語フランス文化質問箱

230Sekko:2010/01/13(水) 23:20:57
お返事遅れてすみません
 年末年始と忙しく、昨日やっとこの掲示板見る余裕ができました。

 結論としては、フランスでは、今のところ、外国人の居住者の参政権はありません。ただし、2重国籍OKの国ですから、ベトナムやアルジェリアなど旧植民地国出身で2重国籍持ってる人も多く、その人たちはもちろん大丈夫。16世紀(1515年らしいです)以来、基本的に出生地主義なので、フランスで生まれた日本人夫婦の子供でも国籍取得して投票する人います。
 本来、「フランス人」の権利でなく基本的人権というユニヴァーサルな人間の権利を革命で謳った国ですから、理念的には、すべての人に選挙権があるはずで、実際、1793年4月24日の憲法では21歳以上のすべての男(女は人間に入ってなかった)で、で共和国に1年以上住んでいて職があるか、私有している家があるか、妻がフランス人か子供がいるか、老人や養子を扶養しているかな人は参政権があるとされていますが、一度も施行されてません。
 社会党は外国人参政権OK派ですが、あのミッテランですら、「フランスはまだその準備ができてない」、と言いまして、ユニヴァーサリズムの適用は難しいですね。それでも理念は引っ込めてないのはフランスっぽいです。
 今年は地方選挙がありまして、社会党は、外国人参政権を掲げてます。このマニフェストは選挙の度に出てきまして、今まではそれが右派を分裂させるための効を奏してたのですが、今回は、保守陣営はそろってノーみたいです。
 左派は移民の多い都市を牛耳っている場合が多く、彼らが、未来の票田として移民を大事にするのはいいとしても、時として原理主義に迎合しているのは困ったものです。社会党の書記長のオーブリー女史はリールの市長で、一部のムスリムの圧力を反映して市民プールに女性専用時間帯を設けたりしてますから。

 でも、ユニヴァーサリズムを推し進めると、国境とか移民とか外国人の概念はなくなりますから、今の世界で政治的には適用不可能ということですね。でも、昔は不可能だった女性や子供の権利も今は多くの場所で認められているのだから、希望はなくしたくないです。それが唯一の、戦争や軍備がなくなる未来ですし。普遍宗教の多くは、理念としてはすべての人の救済を目指して、「国籍」は問わないですから、それに少し救われますが。
 ある国にいる「外国人」が、外国人としてのコミュニティの利益を守るというスタンスでのみ参政権を得るのであれば、ユニヴァーサリズムへの道はむしろ後退すると思います。ユニヴァーサルな視点なしの、分断的な「外国人参政権」は意味がないと思います。男女分断的なフェミニズムが不毛なように。


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