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フランス語フランス文化質問箱

23古川利明:2006/04/27(木) 20:20:26
フランス語の多義性
 竹下さんの「appivoiser」と「sauvage」に関する論考を読んで思うのは、「フランス語の多義性」ということです。英語と比べると、フランス語というのは、語彙がかなり少ないですよね(詳しい数字は忘れましたけど、慶応仏文の鷲見さんが出している「翻訳仏文法」に、そのフランス語の多義性ということについて、触れています)。確か、近代フランス語が確立していく過程で、かなり語彙を絞り込んでいったというふうなことが書いてありました。すると、語彙が少なくなっていったぶん、いきおい一つの語に多くの意味を持たせてしまうことになるんですよね。例えば、「sens」とかでも、辞書を引くと、「方向」だとか、「味覚」だとか、ものすごくいろんな日本語の訳語が出てて、まあ、文脈でわかるにしても、「何でこんなにたくさん訳語があるんだろう」と思ってしまうんですよね。日本語も確かに、一つの語をアイロニカルに使うことはありますけど、でも、「飼いならす」とか「野蛮」という単語は、なかなかそこから超えた意味へとトランスファーしていかないですよね。ところがフランス語は不思議で、そういった一つの語が持ってしまいがちな「意味の牢獄」からスルリと抜けてしまう自由さがあって、面白いですよね。星の王子さまのキツネは、そういう「言葉の魔術師」みたいなところがありますよね。それを日本語に翻訳するというのは、至難というより、たぶん無理じゃないかと思うのですよ。


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