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フランス語フランス文化質問箱

105Fusako:2007/10/01(月) 23:04:08
連帯
「連帯」ってほんとにフランス的なことばですね。
革命のスローガンは、Liberté, égalité, fraternité だと言いますが、それが、現在のフランスには、Liberté, égalité, solidarité として継承されているように見えますね。前半二つ、freedom と equality だけなら、これはアメリカにもある、自由な個人を平等に自由競争させて、人は自由に勝ち、自由に負ける。ただし、大きなグループから社会的に明白なハンディありと圧力がかかったときには(アフリカ系アメリカ人やマイノリティ、女性など)、底上げして平等にする制度を作ったけれども、この制度は精神として定着はしなかったし、むしろこういう底上げによらずに自力で勝ち上がる人が称揚される社会、という感じがしますので、アメリカはその意味では、「自由」だけが価値とみなされる社会かもしれません。
フランスがégalitéとsolidaritéの国だなと思うのは、そもそも「自由に勝ち上がって他者に優越する(少数の)個人」であるよりも、「共に生活を楽しむ普通の(多数の=ユニヴァーサルな)市民」であることが、社会的に好ましいものというコンセンサスがある印象からです。実際には、どちらの国にも暮らしたことはないので、読んだり聞いたりすることからの単なる印象に過ぎないのですが。

最近、家族政策について少々調べていて、面白いと思ったのは、出生についての「格差」の話でした。フランスとイギリス、日本に比べるとどちらも出生率はけっこう高く、フランス2.0(2006)、イギリス1.8(2005)、日本1.32(2006)です。けれども、イギリスとフランスでは、「格差」のあり方が異なる、という調査があったのでした。イギリス、フランスとも、同じ女性でも、経営者層、勤労者層、非就業層で、出生率には差がある、けれども、フランスの場合は、イギリスに比べて、その階層の差が小さく、かつ、平均的に2人くらいの子どもを持つ。イギリスは階層によるばらつきや子ども数のばらつきが大きい。特にイギリスは、十代の婚姻外の出産が多いとのことです。アメリカはイギリスよりも多いですね。これは、貧困と結びついた現象で、出生率は高くても、格差の再生産・拡大につながっています。何が言いたかったのかというと、フランスのsolidarité(制度としての給付や保育、保護されている普通の労働者の労働条件、それから、社会意識として誰もが普通の生活を楽しむ意識)のもとで、二人くらいの子どもを持つのは、どの階層でも普通だというのは、うらやましいということでした。


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