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鷹目遊里史板

746夕凪:2011/09/25(日) 23:39:20
売春摘発第一号 (飛田の巻)
始発電車がそろそろ出るという午前4時近く、新地周辺のあちこちの家から、
首をすくめるようにして男たちが出てくる。一見して“朝帰り”とわかるその男たちを、
待ってましたとばかり、物陰から飛出してつかまえるのは、
前日から徹夜の張込みをつづけていた刑事だ。

朝帰りの客から「前夜泊まった場所」「あっせん者の人相」「相手の女の子の様子」
「支払額」などの情報をとるのだが、なかなか口を割らない男たちに対して、
強制力のない職務質問では詳しい答えを得るのことは困難で
折角の職務質問も徒労に終わることが少なくなかった。

廃業届以後は、新地の業者たちも自分の店で女に客をとらせるような
厚かましいことはさすがにしなくなった。

すべて出張売春。

この事実をつきとめるための張込みは一層困難だった。

女の出てくるのを待って、夜どおし土砂降りの雨の中を
コウモリガサに顔を隠して立ちつづけた事も再三。

こうしてキャッチ出来たのは、新地業者で相当数のものが今年になってから
阿倍野界隈の旅館を買取り、そこを根城に偽装売春を続けているという事実だ。

阿倍野付近は西成署の管轄ではない。
所轄がちがえば捜査がスムースにいかないのは当局の通弊、
これをねらったのが業者たちの作戦だが、
藤原係長ら6人の捜査本部員は2班に分かれて
新地→旅館の偽装ルートの確証をにぎった。

そして4月4日午前9時 ―― 。

阿倍野区阿倍野筋1の9●旅館「美空荘」から、しどけない格好で出てくる
2人の女を藤原係長は、連日の張込みで赤くはれた目にみとめた。
サンダルばきの2人の女は刑事に尾行されているとは知らず、小走りに道を急いだ。
行先は、果して、飛田新地内の旧特飲店「美空」だった。

2月28日で一斉に模様替えをした。
大部分の店が灯を消した中で執拗な何軒かの業者は、特飲店の看板を待合に塗り替えて
なお営業を続けた「美空」もその執拗な業者の一人だった。

「美空」の経営者は、新地の業者と一緒に廃業届は出したものの、
これまでの売春のウマイ汁が忘れられず、転業直前の2月中ころ、
阿倍野筋1丁目の旅館を買取り「美空荘」として娘に営業させていた。

ポン引が、「美空荘」に客を連れてくると、経営者の娘は「美空」に電話をかける。
「美空」から「美空荘」までは目と鼻の距離。
電話一本で、女が「美空荘」にやってくるまでは10分とかからない。


夜の大阪にはびこる偽装売春の手口は、しだいに巧妙化してゆくようだ。



                  1958年5月発行の新聞社系の週刊誌より


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