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鷹目遊里史板

550夕凪:2010/04/30(金) 01:16:55
鄙びた湯・古い湯治場 はしがき ? by 渡辺 寛  
それは丁度、もうしばらくで浅草の三社祭のくる5月のはじめだった。

追われるように上野を発った汽車の中でのことなども書きたいが、これは端折り、
その夜は電燈の暗いわびしい鉱泉宿でふたりともまんじりともしなかった。

あくる朝早く窓を明けると、宿の裏は一面の桜桃畠で、
うすべに色の花がこぼれるように咲いていた。
その向こうに霊山がガレを白く陽にあててたたずまっていた。

女が人知れず両親の墓へ別れに行きたいというので、
朝食のあと私たちは線路を横切り桑折道を湯野まで歩いて行った。

女の両親は、女が11のとき相次いで死に、
たったひとりの伯母を頼って上京したきり
もう13年も郷里へ帰っていなかった。


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