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鷹目遊里史板

382夕凪:2008/01/27(日) 22:10:50
季節仲居
ジプシーのような季節仲居は、
4月の吉野(桜)→5月の長谷(牡丹)→夏の洞川(参拝)→秋の生駒(風光)
というコースで、観光客を追って移動する。

ところが年間30万人もの観光客がある初瀬だけはこの仲居の一部が土着している。

初瀬には、旅館が全部で13軒ある。生駒同様“料理旅館”と呼ばれているが、
ただ一見して旅館とわかる大づくりのものは4軒ぐらいで、
あとは昔のお茶屋仕立てのちいさな旅館ばかりである。
すべて長谷寺の門前に集中している。

仲居は、1軒の料理旅館に、ふだんで平均4〜5人。5、6月のシーズンに10人ぐらい。
20才台の若い女もいるが、土着化しているのは、がいして30才台以上の年増がおおい。

彼女たちは、ふだん1階の表座敷にたむろしている。
大旅館は別として、ちいさな旅館は土地の表現を借りるなら
「まるで遊郭仕立て」だから、さながら“顔見世”も同じで、
通りすがりの者には、なんとも奇異な感じをあたえる。

このへんの仲居はみな客の背中を流してくれる。
いまどきの観光地にはめずらしく人情が細やかである。
“女上位時代”など、彼女たちには無縁である。

ここには、門前町の古いたたずまい同様、
ふるきよき女の情緒がのこっているのだ。

                40年代の風俗記事より(一部要約)

※過去の書込みを、タイトルだけ変えて再掲しました。


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