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歴史掲示板
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したがって、日本の狩猟採集民系y-D2が、日本語集団の形成においても、完全に受動的な存在であり、問題にするに値しないことを言明すべきだ。言語集団としてだけでなく、「われわれ日本人のDNA全体」においても、D2が無意味に存在であることが核ゲノムの解析...
DNAを家系や血縁のアナロジーで語ることに対する篠田さんの話しを聞いてみよう。
「そもそも生物学的な概念であるDNAや遺伝子を、我々の社会が持つ概念である血筋や家系のアナロジーで語ることはできない。多くの関連本が特定の遺伝子の道筋を説明しているだけで、決して「家系」を辿ったものではないことが分かる。ひとつひとつの遺伝子に共通祖先があり、これを家系のアナロジーと捉えることも可能だが、DNAは全体として一人の人間を作るために働いているのだから、特定のDNAだけをもって恰もそれが重要であるかのように強調することは間違いである」(篠田謙一『日本人になった祖先たち』20頁、206頁)。
以上において、右翼のDNA関連の言説のほとんどは既に大きく間違っている。彼らは日本人と他の北東アジア人との差異を強調するために「特定の」遺伝子であるyDNAハプロばかりを強調し、妄想を垂れ流しているのである。
しかし、どうだろうか?
私には、篠田さんの説明は少し不十分で、日本の右翼の妄想プロパガンダの息を止めるためにはもっと踏み込む必要がある。
確かに、生物学的には、個人は過去と未来の集団に発散して行く存在である。
しかし、yDNAやmtDNAハプログループが「個別的」とはいえ、古い時代になればなるほど「集団との一体性」が見られることが挙げられるだろう。
では、その「一体性が見られる集団」とは、いかなる集団を問題にすべきか?それは語族集団である。ここで、語族集団とは、言語そのものの集団であるとともに、社会集団であることを指している。
社会経済的な要因に大きく左右されるyDNAハプロはmtDNAハプロより不安定ではあるが、集団において多様なmtDNAハプロよりも確かに特定の言語集団と重なる。
言語は初期国家の権力とも結びつきやすい。世界の例を見渡しても、それは農耕・牧畜民の言語である。
ただし、古ければ良いというわけではない。語族形成期である約1万年を超える古い層については問題にしない。言語は遺伝子より遥かに早く変わったり言語転換が起きる。ここは原則として良く認識しておくべきだ。Ω\ζ°)チーンチーンチーン
したがって、日本の狩猟採集民系y-D2が、日本語集団の形成においても、完全に受動的な存在であり、問題にするに値しないことを言明すべきだ。
また、ここ数年の変化として、核ゲノムも解析できるようになってしまった。その結果によると日本人のDNAは「全体として」9割が「北東アジア人」由来であることが確認されるとともに、「縄文人ゲノム」が古東南アジア狩猟採集民やフィリピンなどネグリート系のDNAと類似していることも確かめられた。
このことは、すなわち、言語集団としてだけでなく、「われわれ日本人のDNA全体」においても、D2が無意味に近い存在であることが核ゲノムの解析によって裏付けられたことを意味する。言い換えれば、
縄文人とはとうの昔に消滅した幻の集団であって、現代日本人には生物学的にも言語学的にも何の意味も持たないのである。いわんや旧石器時代人をや。笑
なので、どうであろうか。あくまで「われわれ日本人は全体として北東アジア人である」という前提の下において、yDNAハプロを特定の言語集団とリンクさせる営みは有効なのではないだろうか。
具体的には、日本語集団において最も重要なyDNAハプロはO-M134(日本に1割)であり、下層言語集団としてはO1b2(日本に3ー4割)、日本語に類型的に影響を与えたものとしてはC2(日本に6%)を問題にすれば足りるだろう。
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