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呪いの王国

4673無音の3秒:2025/12/23(火) 10:31:20
旅好きLunaさん。こうして言葉を返していただけると、こちらも少しだけ舞台袖から前に出たくなりますね。作品を観たいと言っていただけたこと、とても光栄です。私が撮っているものは何かが起きる瞬間ではありません。Lunaさんが書いてくださったような何も起きていないのに、流れが切り替わったと身体が先に理解してしまう時間、その前後が乱れずに続いていく状態を記録していることが多い気がします。アイスランドの霧や、南仏の小さな駅で列車を一本見送る話、とても映画的でした。実は、良いシーンというのは、到着そのものよりも、見送ったあとに、何も崩れずに残っている時間に宿ることが多い。ただそれは、その時間を受け止められるだけの下地が、すでに仕上がっている場合に限る。そうでないと、同じ瞬間はただ通り過ぎてしまうだけですよね。ノルダリフィリダの話も、Lunaさんの言葉を読んで、現場でも人生でも、説明も演出も不要になる日は、必ずその前に徹底的に数値を引き上げる工程を終えています。そこを飛ばして到達できた例を、私はほとんど知りません。映画館を税関と表現された感覚も、とても好きです。一本観てから街に出たとき、世界が少しだけ色補正されて見える。ただ、その差に気づける人と、何も変わらないまま外に出てしまう人がいる。この違いは感性ではなく、すでに引き上げられている数値の差だと思っています。王国さんのアイテムについての感覚を監督としての極意に似ていると言っていただいたこと、深く胸に残りました。数値を上げるという行為は、成功を誇るためのものではなく、人生や流れを編集不要にするための必須工程。ここを通過していないと、どうしても途中でカットが増える。また、どこかで音が消える瞬間があれば。あらかじめノイズが入りようのない領域まで数値を引き上げておくこと。それができていれば、カメラを構える必要すらなく、同じフレームに立っているだけで流れは続いていきます。


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