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明主様
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島原の乱
部分しか見えなくなった人の悲劇が、島原の乱じゃないかな。
踏み絵だが、実際には、踏んでしまう信者はたくさんいたそうだ。
もっと視野を広げると、聖書や十字架を破壊するキリシタンも、世界の
キリスト教史のなかには例があるそうだ。
偶像崇拝を禁止するキリシタンにとっては、何の価値もないものやからな。
心が大事なわけで、藩が出してきた絵や像なんかどんどん踏んでええねん、
ちゅうことやろな。
島原の乱は、部分しか見えなくなったキリシタンと、幕府のごきげんをとるという
部分しか見えなくなった藩主が、出合って起こった悲劇やったんやなと思うねん。
ま、処刑されたキリシタンの死顔があまりにも美しくて笑みをたたえていたので、
改宗した処刑役人もいたというくらいだから、まったくの無駄死でもなかったとは
思うねんけどな。
それはされおき、隣の黒田藩とか、キリシタンだと知っていてもスルーしとねん。
乱の生き残りも引き受けているんだが、布教はしないという条件で、信仰自体は
認めているんだよな。
騒ぎさえ起こしてくれなきゃいいよって、ことなんだろうな。
対して島原の松倉藩主は、斬首。大名なのに、一般庶民扱いの刑だった。
部分しか見えなくなった者同士の悲劇だと、つくづく思う。
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