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伊東静雄を偲ぶ
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帝塚山派文学学会報
帝塚山派文学学会報11号が送られてきていますので、その一部をコピーしてご紹介します。
来年になると研究発表の全文掲載された雑誌として刊行されるそうです。
皆様、良い正月をお迎えください。私は、東北地方(山形〜秋田)の寒波を体験しに行ってきます。
第 11 回研究会報告
2019 年 12 月 15 日(日)午後 1 時半より帝塚山学院本部棟同窓会ホールにおいて第 11 回研究会 が会員 25 名の参加のもとに開催されました。 第一の発表は本学会会員の西尾宣明さんによる「庄野潤三の文芸史的位置に関する考察」でした。 これまで書かれた5つの論文をもとに、今後の庄野潤三研究の課題を明確にしようとする、内容の 濃い発表でした。興味深かったのは、「私小説的手法で日常の人間を見つめる文学を開花させた」昭 和 30 年代頃までに登場した「第三の新人」、具体的な作家としては安岡章太郎・吉行淳之介・遠藤 周作・小島信夫・庄野潤三の文芸的起点、基点、帰点の考察でした。安岡は血族へ、吉行は性愛へ、 遠藤は罪・神へと向かったが、庄野はただ一人、「眼前に現在進行しつつある生活感あふれる日常的 世界を凝視し、それをかたくなに素材として小説世界を構築しようとした」。深く納得できる結論で した。 第二の発表は本学会会員の村手元樹さんによる「庄野潤三と徒然草」でした。チェーホフ受容か ら庄野潤三の初期作品を考察してこられた村手さんが『徒然草』を取り上げられたことに驚きまし た。しかし庄野が敬愛する福原麟太郎や伊東静雄が『徒然草』を推奨していたこと、庄野自身がエ ッセイや対談で『徒然草』を語っていることを知り、納得しました。村手さんは『徒然草』の特質 である滑稽、兼好の卓越した取材能力、『徒然草』の構成、現世肯定的な無常観、歴史的な感覚・も のの見方などが、庄野文学の「おかしみ」、聞き書き、小説の構成、無常観に関連していることを多 くの引用を使って解説されました。庄野文学が日本の古典につながるものであったことを知ったの は、新しい発見でした。
第三は本学会会員の小出英詞さんによる報告「長沖一の新出記事について」でした。新出記事と は 1954(昭和 29)年 5 月 15 日真弓書房発行の雑誌「旬刊フエミナ」に掲載された長沖一のエッセ イ「恋愛は女のすべて?」です。この雑誌は当時の画家や詩人、ファッションデザイナーなどの記 事や挿絵が満載のおしゃれなものですが、第 3 号で廃刊となりました。社長真弓常忠氏は後に住吉 大社宮司になられましたが、2019 年 4 月に死去され、遺品の整理をする中で住吉大社権禰宜の小出 さんが見つけられました。論旨は「恋愛は女のすべて」という考えを女性自身が破壊しない限り、 新しい女の歴史は始まらない、です。
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