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伊東静雄を偲ぶ
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「生活者の視点から」
この掲示板で何回か取り上げさせて頂いた松本健一氏が27日に亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
同氏の著書『戦後の精神ーその生と死』の中で、橋川文三、保田與重郎、島尾敏雄、江藤淳に関して書かれている項目があります。同氏が、保田與重郎や「日本浪曼派」に興味を持たれた経緯などが述べられています。
島尾敏雄(185〜211頁)の項の中で次のように書かれていますので、一部を紹介します。
1、伊東静雄「春の雪」と島尾敏雄「月下の別れ」というふたつの詩は、戦争をその生活において呼吸しているということで、相似的である。
2、伊東静雄が、若い友人すべてにむかって「たっしゃでゐなさい」と静かに語りかけているところに、日本浪曼派の詩人はもはやいない。生活者伊東静雄がいるばかりだ。(「散華の美学」を歌う「日本浪曼派」から伊東静雄が決別したことを意味する。)
3、島尾敏雄もまた、戦争という政治に囲繞されつつも、それを「生活」として呼吸することによって、生活者の視点を紡ぎだした。
4、これは戦中〜戦後を通じて伊東静雄、庄野潤三、島尾敏雄の三者に共通することであり、三者が戦後いち早く生活者の視点から作品を生み出していった理由である。
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