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伊東静雄を偲ぶ

1080Morgen:2014/10/21(火) 12:06:32
「菊の香や奈良には古き仏達」(芭蕉」)
 街角から金木犀や菊の香が流れてきて、日ごとに秋の気配が深まってまいりました。

 『芭蕉を読む 対談』(潁原退蔵、大山定一、西谷啓次、吉川幸次郎、湯川秀樹、・・・ 遠藤嘉基編、創拓社、1989)という本が、古本屋に有りました。
 「もしや?」と直感が走り、『伊東静雄全集』昭和19年の4月21日付け日記及び同5月9日付け潁原退蔵宛書簡にある「芭蕉研究の座談会」のことではないかと思って立ち読みしたら、図星でした。(ただし、伊東静雄は参加を断っています。)

 『芭蕉を読む 対談』の「あとがき」には、「京都帝大の北側(左京区北白川追分町)に、秋田屋という出版社の編集部があって、そこで、午後3時頃から9時ころまでの例会があった(複数回)。その記録が、秋田屋刊行の雑誌『学海』(昭和20年1月〜5月)に連載されている。記録の全貌は隠滅してしまったそうですが、創拓社がこれを探し出して、1989に刊行した旨が書かれています。

 同書で取り上げられているのは「菊の香や奈良には古き仏達」「草臥て宿かる頃や藤の花」「白露をこほさぬ萩のうねり哉 」の3句だけです(他は見つからない)が、潁原先生のような専門学者だけでなく湯川博士ほか数人の素人を交えて自由な座談が行われております。
 日々戦局が厳しくなっていく当時の慌しかったに違いない情勢の中ではありますが「さすがは京都だなあ。」と思わせるゆったりした雰囲気を感じました。(興味のある方は、「日本の古本屋」に何冊も出ています。)






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