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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

941万理久利:2010/12/12(日) 18:29:28
肥と筑 第十五回 合評3
 風に何かを感じ、恐れたり、楽しんだりする自分がいました。気象上、物理上の風として
割り切れない何かが有る。幼い頃は親や兄姉の厚い庇護があるからガラス窓の内側から風の
怖さを知り、天気の良い日はそよ風を体で感じたものです。今の私は一人で自分を守らなけ
ればなりませんが、その分自由というものがあります。一身に風を受けることもあれば、汗
を拭ってくれる風ともつきあっている。自由です。風は遠いどこからかきて囁きかけている
ような気分にも時々なります。そして時々身を任せたくなることもあります。

 肥前風土記の姫社(ひめこそ)神と珂是古(かぜこ)の伝説で25号テーマ風がいよいよ登場
します。「私が思うに、この姫社の郷の話の結末としては、珂是古(かぜこ)(風子)による
タタラ炉と足踏み式鞴(ふいご)の改良が行なわれ、結果的に旅人の安全が確保されたのでは
ないだろうか。」と登場人物の父英夫の言葉に改めて作者の歴史との取り組みの姿勢を感じ
ました。風の取り込み方のうまさも感じました。この一言に全部現れています。

 続けてのコーヒープレイク。なんと今回は母親も加わり風にまつわる歌を掲げる。登場人
物設定にあった詩を並べた。すこいな〜。こんなに贅沢な読み物はないな〜。
 風は木が揺れることで感じる、音にも繋がる、自分の体に吹き付ければ気持ちよさもある
し歩行、走行を阻み恐怖すら感じるものにもなる。空気のざわめきはやはり何かの魂のざわ
めきでかもしれません。 古今東西の詩も風を単なる風と受け止めていなかったことがわか
ります。この作品が古代の徐福団やそれを受け止めてきた日本の地にいた人間の工夫と努力
の魂の風が現在に繋がっているという、これは私の勝手な想像ですが、そのテーマにしっく
りと「風」がはいりやすかったのかもしれません。
 それにしても作者の知識と推理する力には改めて驚かされました。
たぶんつづく
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