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5330万理久利:2019/02/06(水) 15:09:35
『肥と筑 第四十五回 』評
 『肥と筑』では密教について触れることが多々ありましたが今回はそのものズバリ「曼
荼羅」。絵そのものを沢山の視点から詳しく取り上げています。胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼
羅の絵が並ぶページに何度も戻りながら作品を読み進めました。全体構図、仏の並べ方、
区切り、後光、蓮(座蒲)、座り方等々、どれひとつとってもそこには意味があることが
分かります。これまでボケッと眺めてるだけでしたが、新しい発見がありました。ふたつ
の曼荼羅の構図の違いから見えてくる日本文化の正副(二重)構成が曼荼羅の世界にも存
在することを著者は指摘します。
 お茶タイムを夾んで後半は仏教伝来の時期、経路、伝えた人物、上座と大乗のシンクロ、
密教を絡めての考察です。奈良大安寺で徧処観の術をもつ菩提僊那と空?とのシンクロが
あった話は実に興味深い。そしてこの徧処観における円輪を金剛界曼荼羅の円輪へと繋げ、
最後は胎蔵と金剛が示す機能を脳の働きに例えて作品は終っています。

 正副対の言葉が次々とでてきます。院と会、集合と部分、総合認識と部分的認識、アナ
ログとデジタル、結びは右脳と左脳。冒頭でいきなり座長である英夫の口から“日本人の
脳”の研究家でもある角田忠信の名前が出て彼の論と密教とがどう関係するのかと不思議
に思っていましたが、最後の最後で合点。とはいえ、角田氏の論についてはお預けで終わ
っています。次回とは言いませんが、是非とも近いうちに取り上げて貰いたい。日本人の
特徴を右脳左脳の働きから分析することに興味があることもありますが、曼荼羅の世界を
より理解するためにも役立ちそうです。

追記
・今回は後藤家の母智美を中心に、姪響子、娘清香が語り手だ。山南順照(住職)、芳賀
信行が語る「曼荼羅」とは切り口が異なる。男女の差、左右脳の差なのだろうか。
異なる切り口で曼荼羅について迫るとより理解に繫がるようだ。
・冒頭に記載されている登場人物リストをみると、宗教、国文、歴史、音楽、美術、言語、
コンピューター、各分野担当の人物がぬかりなく用意されていることがわかる。著者は初
めからちゃっかりと全方位切り口を用意していたのだ。
・結跏趺坐は“苦行”かとばかり思っていた。まさかあの足の組み方が安楽の象徴だとは…。
足の長さで、同じ結跏趺坐でも苦楽が別れる。
・相撲の土俵が曼荼羅に結びついていた。確かにあの俵円輪の中は力士が雑念をとりはら
って意識を集中させ勝負する空間です。“やぶった やぶった”は“結界やぶった”なの
かも。
・著者の掲示板書き込み集のなかに「密教/曼荼羅」があったのを思い出し久しぶりに読
み返してみた。(https://6214.teacup.com/alphadata07/bbs/15
当初これを読んだときとは???が多かったが、今は違った読み方ができる。全部とはい
わないが書いてある内容が理解できるようになった。面白さを覚えるようになった。そう
言えば『肥と筑』と出会ってから約10年だ。10年読み続ければ、歴史音痴の私でもち
ょっとは理解が進み愛着もわいてくる。今ではれっきとした『肥と筑』ファンである。

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