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5231万理久利:2018/06/22(金) 14:01:47
『肥と筑 四十四回』評
 四十四回、著者は一回も休んでいませんから、44÷4(季刊)で『筑』は今号で10
年目最後を飾る号となりました。一区切りの四十四回は、それを著者が意識したかどうか
は分かりませんが、いつもとは違ったスペシャル判、スピンオフ判といった内容になった
ようです。スピンオフと言えば、毎回勉強会の休憩タイム“コーヒーブレイク”がありま
すが、今号にはブレイクタイムが設けられていません。なぜなら四十四回は全部がブレイ
クタイムだからでなのでしょう。
 さて、そのスピンオフ判の内容とは。勉強会の主催者である後藤家頭首英夫の冒頭の言
葉をそのまま借りると「日本人特有の正副構成・特有の日本語表示」。

 正副構成の例として、神道と仏教、歴代統治機構にみられる皇室と藤原氏・公家と武家
・将軍と執権、刀剣における軟鉄と鋼鉄、漢字と仮名、集合と部分…等々を挙げています。
個別には考えてみたことはありますが、ずらり並べられた例を見ると、個別では見えてこ
ないものがうっすらと浮かんできます。
 正副というより優劣/強弱/対立といった要素を含まない、別次元のもの、或いはパラ
レルワールドといった関係にあるような気がしました。
 時に対立や衝突があったとしても、パラレルワールドを尊重しそのまま生かしつつ利用
し合う、別次元との意識があるからこそ共存(同化ではない)しながら利用し合えてきた
という歴史が日本にはあったのではないでしょうか。

 後半部分では日本語表記について書かれていますが、日本語表記における漢字・仮名・
ローマ字についてもそれぞれがパラレルワールド。それぞれが一つの世界をもっているか
らこそ、組み合わせることにより飛躍的に表現の世界が広がっりそして深まったようです。

 宗教、政治体制、言語表記、そして美観、感性、精神構造といったものまで、日本人を
特徴づけるのは、パラレルワールドをそのまま受け入れ生かすところにあるような気がし
てきました。ではなぜそうなったか…。
??著者は作品の中で自然災害が互助の国民性を、四季変化が無情感をもたらしたと述べて
いますが、日本の自然環境に加え、海に囲まれた小さな島国であるということも、パラレ
ルワールド共存に大きく影響しているのではないでしょうか。
 共存には多大な困難が生じる、それを克復するためにいろんな工夫を重ねる、そこには
またパラレルワールドで培った知恵が生かされる、そこにまた新たなパラれるワールドが
できる…。これは日本だけでなく世界中で起きてきた人類の文化なのかもしれませんが、
よりはっきりと見られるのが日本なのかもしれません。だからこそ資源に恵まれず、災害
が絶えない小さな島の国が何千もの間、海の向こうの国にとって変わらずに存在しつづけ
たのだと思います。

 著者の思いとはかけ離れ感想になったかもしれませんが、日本という国を改めて考え直
す機会をいただけた、歴史音痴の脳みそを時空を超えて刺激してくれる『肥と筑』スピン
オフ判となったようです。
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