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5075万理久利:2017/11/27(月) 19:53:39
『夏の夜の夢』評
 「夏という季節はなんとなく異界へと心が誘われるときである…(略)…その異界を覗
き見てみようと誘惑に誘われ早旅を始めてみよう」作品冒頭の言葉だ。
 著者の作品はいつも出だしが上手い。難解な方程式と用語がまたたくさん登場するのだ
ろうと思いつつ、騙されてつい調子に乗って読み進めてしまうことになる。出だしに誘わ
れ読者もいっしょに旅に出てしまうのだ。
 意識はしていないのだろうがバリバリの理系頭脳らしからぬ冒頭の文章だと毎回思う。
数学者の藤原正彦、物理学者の寺田寅彦あたりも、なかなか上手い文章を書いていたから、
理系頭脳か、文系頭脳かは、読める文章を書くこととはあまり関係がないようだ。

 覗いた世界は「虚」、それも科学分野における「虚数」の世界である。2乗するとマイ
ナスになる数なんて嘘〜っ! 虚数と聞いただけでヒェ〜ッとなる高校生時代からのトラ
ウマ。それでも数式処理システムを使って視覚に訴えてくると、なんとなく虚の世界が見
えてくるような気がしてくるから不思議なものだ。平面図そして立体図ともなると、頭の
中でそれなりにイメージが湧いてくる。
 虚数の世界もこうして処理システムを通して図にすることによって仮装実体が見えるの
と(正確には見えた気になる)同じように、この虚数という存在自身が、見えない世界を
頭の中に描き出す道具になっているのかもしれない。それだけではなんの意味がなくとも、
科学の発達、不思議不思議の解明には大いに役立つのだ。

 著者が終わりの方で、数理の世界は全て抽象の世界で実体はない、「1」という数字は
個、m、?等具体的なものと結びついて具象のものになると言っているが、考えてみれば
そのとおり。「1」だけでは実感が湧かない。
 そう言えば、人間の心だって直接的には文字、言葉があって見えてくる、伝わってくる…。
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