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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

504万理久利:2010/08/18(水) 12:44:47
『豚の死なない日』
ロバート・ニュートン・ペック著 白水uブックス

友人に紹介された本。今朝一気に読み上げた。懐かしかった。ひたすら。
子供が主人公、子供が語る物語。これが結構胸にしみるのです。 親父が身
をもって息子に伝えるなにか、子が全身でうけとめて、きっと次に繋げていく
のだろう。1900年代前半のアメリカの実に実直な生活者を描いた物語。

「シェーカー」の教えもこのシンプルな家族に息づいている。よけいなものは
全部とりのぞく。欲しがらない。本当に大事なものだけ守ってそして繋げていく。
人間シンプルに生きようと思ったら、こんな形になるのかと思う。豚を殺す職業
の父と豚を慈しみ可愛がった息子。父は死を前にきっちり伝えるところを伝え、
息子はキャッチした。なんだか人間の可能性がまだまだあるような。捨てたもん
じゃない、そんな気さえする。

少年或いは少女が語る物語、小説は何とも言えない味がある。いっぱい垢を身
につけてしまった大人が読むからだと思う。社会人になってから読んだ本で、
(確かアメリカ人の作品)にひどく感動したことがある、子供時代にあっという間
に引きずり込まれるのだ。どんな書より心を引き込まれたことを覚えている。
書名は残念ながら失念してしまった。
日本でも風の又三郎や少年H等の作品に惹かれたが、その引用や時代考証
の正否はべつとして、作品そのものは作者を離れて「又三郎」や「少年H」と近
寄れる。この二作も心にしみこんだ。

掲題作品は200ページにも及ばない短い作品です。一度目を通してみてください。




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