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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

493万理久利:2010/08/16(月) 18:12:51
肥と筑 第十三回(3) 感想 完
佐賀は私の両親が生まれた土地。人気の無い県であるがいつも頭のどこかに
存在する県である。幼少時代、夏休みは「肥前鹿島」の駅に降り立った。

父は戦後すぐに東京に出た。母をつれて。最後の最後まで佐賀弁を使い通した。
歳を取るに従って佐賀の歴史に興味をもち本棚には関連する書籍や切り抜きや
写真が並んでいた。

父の最後の感想を聞くことはなかった。「佐賀ってどんなどこ?」「佐賀に生
まれてやっぱり誇り?」聞きたくなるほど佐賀に拘りをもつ人であった。

その娘である私はなぜか縁あって佐高11期卒の文芸好き遊びすきの仲間をル
ーツとする同人に昨年入った。ここには合評というユニークな場所が設けられ
ており、自然とこの作品に触れた。日本史が苦手な私も父の執念に押されてか、
辞書を開きながら、地図を開きながら読んだ。

意外な発見が毎回ある。作者が述べたい何かが少しずつわかってくるような気
がする。作者の、とことん調べる、空想する、繋げてみる、この性癖は父と似
ていると思う。もし時間がずれていたら、父はきっと作者に会いに行ったと思
う。質問、確認、自分の意見を書いたノートを持って。
私もゆっくりこの作品と寄り添って行きたいと思う。判らない単語が多く出て
くるので寄り道の時間が長い。その時間もなかなかいいものだと最近思うよう
になった。

今からちょうど30年前の8月15日、父は軽自動車で佐賀探訪にでかけた。
自動車の鍵を隠した娘であったが、誰も父を止められないことを知っていた。
そしてまた佐賀を知りたい自分がここにいる。




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