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4604万理久利:2016/10/31(月) 20:57:26
『変化(序章)』 評
 変化というようり「時間」がこの作品のテーマのようだ。「生命」に続き難解極まるテ
ーマだ。文学的、情緒的に時間というものを扱っているのならまさとっつきやすいのだ
が、勿論この理系の著者は真正面に科学的にこの「時間」に挑戦していく。ずっと据え置
きにしてきた私自身のテーマなだけについ身構えてしまう。

 著者のこれまでの作品を振りかえると出だしが面白い。今回は「時間」と切っても切り
離せない変化という言葉について素朴な印象と、この作品で取り上げる時間における「変
化」について説明していく。
 「へんげ」妖怪、化け物、変身のイメージ。神様が姿を変えるときは「権化(ごんげ)」。
 「へんか」これが時間にまつわるほうだ。その変化でも変化球、変化技といった意味合
いの変化は排除する。「時間の進行とともに変わる」その意味での変化(ヘンカ)だ。
 分かりやすい「変化」という言葉の分析と説明が、「時間」をどう考えるかという難題
に読者を引き込むのに大いに効果的な役割を果たしている。実際この私がそうだから…。
 それでも出だしの最後には「実空間」と「抽象空間」両方に跨がった視点からこの変化
・時間を彷徨してみたいとある。私にとって抽象空間の方はさらに手強そうだ。数式の世
界が広がってきそうだ。

 実空間における時間の認識と言えば、単純に皺がふえた、肌のつやがなくなった、髪が
薄くなった、これこそ時間の経過をズバリ感じるところだ。悪あがきをして多少改善され
たとしても、肌も髪も10代 20代 そのときの状態にもどることは決して無い。
時間の矢だ。前作『生命シリーズ』で人間もこの世界・宇宙もエントロピーの増大に向か
って動いていることを述べていたが、この作品はそこからまた一歩踏み込んだ「時間」に
ついて取り上げいるのだろう。

 難しい内容が続いた後、最後で著者は読者の興味をそそる「生命時計」について述べて
いる。ここを読んで映画 「ジョニーは戦争へ行った」を思い出した。手足と顔を失った
兵士が微かな風邪や音で頭の中でカレンダーを刻むのだ。でも唯一残された耳や皮膚感覚
さえなくなったらどうなるのだろうと思ったが、その場合でも時計は刻まれるようだ。
 これは人間の話で、犬や猫、昆虫にいたるまで人間以外の生命体にもこの「生命時計」
なるものはあるのだろうか。時間認識というもはあるのだろうか。
そんなことをつらつら考えながら、次回を待つことにしている。

 序章を書きながらも時間の経過とともに次々と時間に対する考えや思いが変化した
とある。なかなか上手い終わり方だ。パチ パチ

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