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4492万理久利:2016/09/08(木) 13:31:06
47号「無数の生命−生命(四)」 最終回 の評
生き物について考えさせてくれた作品の最終回だ。どんな終わり方をするのか興味津々で
読んだ。最終回を読み終えて、このシリーズを通して微生物、植物、動物、全部ひっくる
めた数から始まり、有機物誕生から生命の誕生の歴史、しくみ、相互関係を総覧したこと
に気が付く。

生物の数は、京<穣でもなく<溝(10の32乗)近くあるという。目にする生物個体だけ
でなく、一本の木にも一人の人間の体内に存在する見えない生物も含めてのものだ。
それらが皆補完し合って生命体を維持しているという当たり前のようで意識していなかっ
たことを教えてもらえた。

元々独立体だったミトコンドリアが別の生命体に寄生し細胞化したという話が面白かっ
た。地球の歴史上の生命誕生に迫る話だ。悪玉酸素を上手く利用し生命体を維持する機能
を持ち備えたミトコンドリアの威力を改めて知ることができた。
先月、日本でミトコンドリアの力を借りて不妊治療に成功したとの新聞記事を思い出す。
女性の卵巣から良質なミトコンドリアを体外受精時に注入するらしい。やはりミトコンド
リアには生命誕生と維持の要の存在のようだ。

さらに生と死にまで話が及ぶ。死により最終的にはまた無機物と化す生命体だが、その無
機物を利用して新たな生命が誕生、維持へと繋がって行く。有機物と無機物の循環のよう
でもある。これを著者はエントロピー概念に結びつけた。
エントロピーについては十分把握していないが、私のイメージとしては、秩序がたもたれ
ていない拡散/放出がプラスのエントロピー、いろんなものを取り込みそれぞれを秩序立
てて一つのものを維持していくのがマイナスのエントロピーだ。ここでいうマイナスは価
値ではなく、単純に拡散を止める方向/動きと言っていいだろう。生命をプラスとマイナ
スのエントロピーの観点から捉える手法はなかなか面白いと思った。

量子力学のシュレーディンガーが「生命とは何か」を書いたことが意外だ。
同じように理系おじさんが「生命」シリーズを書いたことも。
「生は他の生命の犠牲の上に成り立っている」「死するということは他方では他の生命の
保持に欠かせない」「諸行無常とはまさにこのことか」
科学少年の口から「諸行無常」が出て来るのも興味深い。

著者は最後に「今のところ(地球上の生物は)正のスパイラルを描いている。負のエント
ロピーが保持されているようだ」と書いているが、私には宇宙や地球自体の異変は別にし
て、人類がもたらす負のスパイラルが起きてしまう不安がある。環境破壊や核戦争による
人類どころか地球上の生命体の無機物化だ。これも宇宙の歴史全体から見れば些細な現象
なのかもしれないが。

追加:中身の伴わない自称「リケジョ」としては、この生命シリーズを興味深く拝読させ
   ていただきました。
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