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4290昭和のテレビっ子:2016/05/14(土) 09:47:20
NHK「あの人に会いたい」
 今話題の「週刊文春」、阿川佐和子の「この人に会いたい」ではない。
これは阿川さんと今生きている人とのインタビューだ。
 NHKの方は、
「NHKに残る膨大な映像音声資料から、歴史に残る著名な人々の叡知の言葉を今によみ
がえらせ永久に保存公開する[日本人映像ファイル]を目指す番組」(NHKサイトより)
とある。基本、対象人物は明治、昭和初めに生まれた人とあるから、昭和のテレビっ子と
しては、テレビでその声や表情に見覚えがある人達ばかりで、何とも懐かしい。選ばれた
人達だけに今改めて視聴してみると言葉ひとつひとつに重みがある。年を重ねた今だから
こそ「重み」として感じられるようになったのだろう。
 死人に口なしという言葉がある一方、死人は嘘はつかないという言葉がある。表裏一体
の言葉だと、この番組からしみじみそう思える。

 本日は小説家の車谷長吉氏だった。新しいことを記憶することが苦手になっても、古い
記憶だけは引っ張り出せるから、この人の顔を眺め語りを聴いているうちに少しずつ思い
出した。題名は覚えていないが、この人の暗くて辛い作品を読んだおぼえがある。如何に
も『新潮』やかつての『文學界』が取り上げそうな、あまり読みたくはない本だと思った。
 そんな記憶でも、テレビの中の彼の言葉には考えさせられるものがたくさんある。
  「僕は骨身にしみたことを、骨身にしみた言葉だけで書きたい」
  「働いた広告会社で使われる言葉はどれも生命の無い言葉だった」
実際、彼は会社を辞め書くことを選んだのだ。
  「主人公を悪人になったつもりでとことん追い込んでいくことが大事だ。自分はとこ
  とん悪人になる」
  「(私小説)を書くことは悪でもある。周りの人を登場させ迷惑をかけることは、実
   に罪深く、いつもやましさを感じる」
なんて、奥ゆかしい人なんだ。「死ぬまで迷う」こんな言葉もあったが、この人は最後ま
で言葉を選び抜き骨身にしみる作品を人を傷つけるのでは?と悩みながら書き続けた人な
のだろう。

 放送時間に変遷はあったようだが、今は朝5時台に放映されている。どれだけの人が目
にするのだろう。僅か10分程の番組の中でその人の「生」が凝縮して再現されているよ
うに思える。朝5時台では、少しもったいないような気がした。






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