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4274万理久利:2016/05/10(火) 09:46:14
文庫解説を読む
 斉藤美奈子氏が岩波「図書」に「文庫解説を読む」を連載している。
彼女がここで取り上げている〔解説〕とは、出版社の人であったり、書評家であったり、
名だたる作家、著者の作品全般を研究史続けている人等、基本、著者本人以外によって書
かれたものである。評論対象は、タイトルどおり、作品そのものではなく、その作品をめ
ぐる複数の解説である。解説には、書いた人の感想や論評的色合いも多く見られるから、
「書評」の「書評」とも言える。

 業界の構造/力関係から、解説が書かれた時代背景/社会の傾向まで取り入れて分析す
る彼女の視点がなかなか面白い。
 例えば3月第19回では、渡邉淳一の文壇的政治力を感じさせる、女性作家による持ち
上げばかりの〔解説〕を取り上げていた。5月第21回では〔『火垂るの墓』『少年H』〕
と〔『新・コーマにズム宣言SUPECIAL戦争論』『永遠の0』〕とを対比させている。
前者では解説が反戦色一色に偏ったため、その反動として戦争をした側あるいは協力した
がわの様子を描いた後者のような作品が登場しブームにもなったのだと著者は分析してい
る。

「社交としての解説に注意すべし」19回
「翼賛的な解説(群)は逆に危ない」21回
各回の小見出しである。

 私にとって作品と解説をどう読むかだけでなく、どう感想や書評を書くか、両面からい
ろいろと考えさせられるシリーズになっている。解説を読み比べる面白さも彼女から教え
てもらえた。






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