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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

3802万理久利:2015/05/18(月) 13:38:04
隣の赤ちゃん
 男の人の声が庭の方から聞こえてきた。
誰かと会話してるでもなく、一人で何か話している。窓を開けて電話でもしているのだろ
うか。普段、私の家の窓を大きく開けていても殆ど物音は聞こえない。
 じっと耳をすましているとどうやら隣のベランダからのようだった。そっとベランダに
出てみると、若いお父さんが赤ちゃんをだっこしている。そう、昨年9月初めに、真っ白
なおくるみに包まれた赤ちゃんを連れてご夫妻で挨拶に来てから、ずっとその姿をみたか
ったあのときの赤ちゃんだ。
「こんにちわ、赤ちゃん見せてください」と思わず声をかけた。
お父さんはこちらのベランダの方に数歩寄ってきて、赤ちゃんを私の方に向けてくれた。
今10ヶ月。小さな小さな赤ちゃんだ。
「こんにちわー。お隣さんだよ。かわいいって言ってくれたよ。よかったねー。」とお父
さんが優しく揺らすと、赤ちゃんは私に向かっていきなり小さな口を開きにっこり笑って
くれた。

 住んでいるマンションで赤ちゃんのいる家はお隣さんだけだ。隣だというのに、これま
で泣き声が一二回小さく聞こえただけだ。姿を見たことはない。ベランダに干してある小
さな肌着とベビー服だけが赤ん坊の存在を感じさせてくれた。
 昨年、真っ白のおくるみに包まれていた時以来、初めてのご対面だ。
ほっぺと手に触り頭をなでてみたかったが、汚してしまいそうで、ぐっと我慢した。
見ることができただけで、幸せな気分になった。優しい気持ちになれた。
昨日の日曜の午後のできごとである。

     *イメージ
   






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