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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

3719万理久利:2015/04/05(日) 12:18:55
映画『グラン・トリノ』(Gran Torino)
       
     主演 クリント・イーストウッド 監督 同  日本公開2009


隣に住むアジア人家族に不快感を露骨に表す、いかにも偏屈頑固な白人老人の姿が目に入
ったとき、どこかでみたことがある顔だとじっと眺めた。あの俳優? 体格はいいけれど、
まさかこんなお爺さんではないはずだ…。でもあの俳優だった。
ダーテイーハリー、マジソン郡の橋に出てくる渋い俳優だった。

朝鮮戦争で人を殺した記憶をずっと胸にかかえつつ、いかにも「アメリカ」、フォードの
の自動車工場で働き続け、今では星条旗がはためく庭の芝刈りをし、ブルーリボン(缶ビ
ール)を飲みながらジッポーで火を点けタバコを吸うやもめ生活。
家の修理は男の仕事、妻は俺が守る、そんな主人公にはどこか男の拘り、男らしさみたい
なものが、滲み出ているのだ。

そんな男が最後、隣の弱虫少年に精神を伝える。彼が選んだ人生の終わり方が圧巻だ。
スーツを新調し、散髪をし、嫌っていた教会に行き驚く程些細な事柄の懺悔をしそして少
年を守る為にあえて武器を持たずに不良グループに挑み、何発もの銃弾を浴びて死んで行
く。白も黒も黄色も関係無い、年齢も関係無い、文化も言語も関係ない。人としての魂の
繋がりがある。男同士の繋がりが在る。監督・主演のイーストウッドはこんな生き方をし
たいと思っていたに違いない。目指して生きてきたに違いない。

イーストウッドを観ていて高倉健と重なった。二人の年齢が近いだけでなく、俳優業を長
い間続けてきて80歳前後で出演したその姿、顔のしわも表情もしぐさもどこか通じるも
のがある。暴れん坊アクション俳優から、しっとりと人生の終焉を思わせる芝居ができる
俳優に、これもそっくりではないか。映画の中の主人公も俳優としての彼等も、その一徹
さ、頑固さ、男気は「西のイーストウッド」、「東の高倉健」だ。






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