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3616万理久利:2015/02/15(日) 08:35:12
中国縦断4300粁単独自由旅行記2(T.Goto著)
 第1日目 ( 成田 → 香港)  


9月10日(晴れ)気温26℃
 愈々出発日。2つの鞄と透明ビニール袋を持ってE電にて上野駅へ。京成上野駅から空
港行き特急にて成田空港へ。空港入港時にパスポート及び手荷物の検査。そして空港ラウ
ンジにてユナイテッド航空(株)831便の搭乗手続きをする。空港使用料2千円を支払
い35番ゲート進入指示に従って進む。ここで再びカード申請。搭乗機の到着が遅れてい
る為、出発時刻が来たがまだ搭乗出来ない。そして到着便の整備もそこそこにやっと搭乗
開始した。受付近くに居た小生を後廻しに身障者、次に子供連れと老人、次にビジネスク
ラス旅行者、最後に観光客、私は一番おしまいに搭乗。座席ベルトをつけ、説明の終わる
間もなく機は発進、飛行した。一路香港に向かって直行する。私の左隣は、子連れのメキ
シコ系米国婦人。右隣は日本人男性だ。

 成田出発後、約1時間程して香港入国申請書用紙が配布された。乗り継ぎの為、香港で
寄泊する乗客のみ書き込めとの事である。書類に書き込んでいると、右側の男性が私にビ
ジネスですか?と訊ねてきた。「いや、自由旅行です。写生で。貴方はビジネスですか?」
と答えると、ハイと云ってこの若者は名刺をくれた。清水建設(株)海外建設部何々と記
されてあった。
「いや私もお宅の会社に建物を発注したことがありました」
「ご自宅ですか?」
「いや私の務めていた会社、昭和電工(株)技術本部でのことで…」
「昭電ですか。……工場の建設?」
「まあそれもあるが、プラント建設でね。貴方は東京本社からの出張ですか?」
「私は入社8年目ですが、配属されてからずっとサイパンで建設をしていました。本社か
ら急に帰国を命ぜられ、又すぐ香港に出向命令です。何しろ香港に居る人の顔も人数もわ
からないんです」
「大変ですな…」
こんな話をしている内に機内食が次から次へと運ばれてきた。ビフテキ、サラダ、寿司、
スープ、ジュース、コーヒー、ワイン、ウィスキー水割り等。
頂けば当然出る。トイレは行列をなして待つ乗客でつかえている。時間的に云うと離陸か
ら3時間を過ぎている。少し待ち、客の減少を見て、清水建設氏に続いて小生も用を足し
た。ウィスキー水割り1パイで驚く程廻る。後で聞いた事だが、上空では3〜4倍効きが
良いとのことであった。
 トイレの帰り、機体が降下している状態にあると感じたが、直ぐに着陸態勢前のベルト
着用のアナウンスがあった。矢張り降下中であった。着席後ベルトを締め少しするとエン
ジン音が高くなった。失速状態の中、加速し且つ翼圧力制御して徐々に減速降下する作業
が全身に伝わってくる。益々エンジン音が強くなり、機体は少しゆっくりローリングし着
陸近きを知った。やがて細かい振動とエンジン音が一段と大きくなると、スーッと気が抜
けたような静かな滑りとゴロゴロという振動があって、地上に降り立った機体が静かに誘
導路を進む。着地成功。到着したこの空港(啓徳空港)は日本ではない。
順次タラップを降りながら前方を見ると、香港百万ドルの夜景が展開していた。

 ゲートを通り税関そして入国検査。赤地に金の菊模様のパスポートは検査無用であった。
これを出ると兌換所があった。取り敢えず日本円で3千程を香港ドルに換金した。この脇
にあった電話で久保木君のホテルに連絡を取った。電話に出た彼に到着の報告をすると、
リムジンバスの?番乗り場のバスに乗りグランドホテル前で降りて下さいとのことであっ
た。料金は5ドルと云っていた。換金した硬貨の数字が暗くてよく見えない。香港ドルは
英国ドルと同じだと云うが、何しろ今まで使ったことがない。
回転扉の外は中国系の浮浪者でびっしり人垣が出来ていて、旅行客の荷物を取りっこする
始末である。これにはまったく驚く。こうした人垣を振り切って外に出た。気のせいでも
ないが、喉がむせる程埃っぽい。?番に着いた汽車(バス)に乗り運転手に「ハウマッチ」
と訊ねながら、20ドル紙幣や10ドル紙幣を出すと、換金して来いと云う(後から分か
った)。さらに運転手は早口の中国語で顔色を変えて乗車拒否に出た。そこで私はバスの
乗車券を買ってこいと言われたものと早合点。インフォメーションでも会話にならず、英
語の通じそうな空港警備警官をつかまえて聞いた。これが又中国語(広東語)だけ。彼は
身振りでこの電話に出ろと云う。受話器の先から日本語で「貴方は何をなくしましたか?」
と聞こえて来た。「そういう事件ではない」と答えると、又この意味が相手に伝わらない。
ゆっくりと「空港站(駅)の汽車(バス)、代金は?、切符売り場は?」と云うと又「切
符」の意味が通じない。相手が探りを入れて答えた。「金格は5ドルあるネ」。これで全
部了解、合点がいった。紙幣ではなく硬貨なのだ。「了解。有難う。サンキュー」と云っ
て電話を置いた。そこで、この脇にある兌換所で紙幣を硬貨にしてもらい又?番のバス停
に戻った。ところが又渡した10ドル硬貨を指して「替えてこい」と運転手が云う。そん
なやりとりをしている所に印度風の男が入って来た。彼も同じ様に換金して来いと云われ
ているようだ。その内、運転手がやにわに私の10ドル硬貨を取ったと思ったら、彼の印
度風の男から1ドル硬貨を5枚むしり取り私によこした。こうして二人やっとバスに乗る
ことができた。誠に変な話である。

 バス搭乗後しばらくして「グランドホテルだ」と云うので不安ながらそこで下車。久保
木君が待ち焦がれていた。二人で遅い夕食を頂き、久し振りに夜通し語った。香港と日本
は1時間の時差があるから、ここより先に、東京は11日になっていた。
????????????つづく

        
       ????香港カイタック(啓徳)空港
??????????????????* 1998年7月5日に閉港、中国返還を受けランタオ島に移転(万理)






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