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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

3464万理久利:2014/10/20(月) 20:28:22
「肥と筑 第三十回」評の2
 神話の世界は全部作り話だとされがちだが、所詮人間が作ったもの、経験や伝え聞いた
ものが意識の中にあってそれらを元にできあがったのではないか、そう考えると神話とよ
く似た事実(単独とは限らない)が過去にあって、それを伝え聞いた人がまた人に伝え、
そして記録や物語となっていったはずです。時とともにたくさんの中継者が介在して伝言
ゲームの結果のようにとんでもない物語に変化することもあるのでしょうが、逆にたくさ
んの記憶の寄せ集めだからこその、話の中に籠められたエキスの様なものが浮き上がって
くるような気がします。
 「肥と筑」の著者はそんな漠然とした推測では留まらないのです。その裏付け/証拠と
なるようなものを、人名、土地土地の神社の祭神などいろんな視点から丹念に拾い上げて
いきます。その材料は万葉仮名の甲類、乙類の区分けまでに及び並の追跡力ではありませ
ん。時として、「全国神社紀行」、「中国アジア中近東、歴史街道を行く」といった題名
のテレビを見ているような錯覚を覚えることもあります。

【植林を助けながら大移動したのはたのは紀一族(出雲族)】
佐賀基山を基点に移動した先の場所の地名や人物名の中から「キ」という共通の読みに著
者は注目します。地名や名前に使用される漢字もその対象となります。
佐賀の基(キ)肆郡/基(木)山→和歌山の紀(キ)伊国→茨城紀の(キ)国
なるほど移動した場所には「キ」と読む地名を落としていったようです。
*ちょっとできすぎのような気がしますが、偶然だとは言い切れません。

【豊城入彦と豊国と毛野国】
記紀に出て来る人の名前はどうのような構造になっているのかは分かりませんが、
先代が使用していた漢字を一つ取り込むようです。「豊」が律令前の北九州あたりにあっ
た豊国を連想させ、「城」は、紀「キ」を連想させます。豊城入彦が開いた国の名につく
「毛」は、「豊」系の玉依姫命の子たちのにつけられた「御毛」「三毛」(まるで三毛猫
のオンパレード)でみんな見事に繋がってきます。

【紀一族が移動に使った船]
著者は出雲の「諸田船神事」で使われるクスノキをくり抜いた手こぎ船を登場させていま
す。多分このような船を使ったのだろうと思います。ネットで神事の画像を開いてみまし
たが、その様子は香港で漕いだドラゴンボートそっくりでした。川はこのサイズに近もの
もあったかもしれませんが、海を渡るには少し小さすぎるように見えます。
造船技術を備えた出雲族であれば航海に耐える大きめの船を作ったことでしょう。

【天香香背男(天津甕星)とスサノヲ】
作品では天香香背男の正体を数回に渡り取り上げていますが、そんな人物が実際に存在し
たかどうかというより、紀族の中に似たような人が複数出現していたのでしょう。
それが伝わる間に、天津甕星やスサノヲ、さらには徐福にかぶせていったのかと思います。
謂わば大移動の立役者です。そして航海の羅針盤となるのが「星」で、著者は彼らはみな
星との関係があることを指摘します。佐賀、大分、和歌山それぞれに日月星の神を祭る神
社があります。関東上陸の窓口千葉には北極星の神様大妙見を祀る神社があります。
これまたできすぎ…。
天香香背男別名天津甕の失踪のヒントを出す響子、答える清香、話をしめる高嗣のやりと
りが、順を追って分かりやすくかつ面白い内容でした。

追:その他
※ ネットには、肥前國に基肄郡 基肆郡二つの表記があるが二つは異なるのか。
※添付資料
・移動経路を表す地図
・登場する、主に天皇を中心とする系図
 が欲しい。(私だけかな?)
??????????????????????????おわり
4005






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