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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ
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昨日の青空文庫
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「トーマス・マン」の作品が初めて青空文庫で取り上げられていた。
夏に近い春、青空と鳥の囀りの中、墓場への道のど真ん中を一人歩く暗い目をした異様
な中年男(ピイプザアム)が、自転車で颯爽と走り抜けようとする少年に、理由(わけ)
ものなく何度も何度も「この道を通るな、通るなら告訴する」と腕を振り上げてからむ話
だ。翻訳では少年のことを「生命」(原文の直訳?)と表記しているところが面白い。意
味ありげだ。
妻子を病気で亡くし、職場もまた彼の失態の為に首になり、立ち上がることができず自
暴自棄になっている中年男がまだ不幸を知らない生き生きとした通りすがりの若者を見て
その鬱憤をぶつけたのだろうか。
彼にも生き生きとした少年時代があったろう。「あんたなんかに付き合ってられない」
とばかりに振り切って自転車をこぎ始めた少年も大小様々の不幸を経て中年になっていく
のだ。この少年もピイプザアムと同じ不幸を体験したら同じ姿になるのかもしれないしそ
うではないかもしれない。もっと不条理極まる不幸に出会ったとしても、ピイプザアムの
ようにならない人もいる。いったいその分かれ道には何があるのだろう。
『墓場への道』??トオマス・マン短篇集
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