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3145長岡曉生 :2014/03/20(木) 02:40:37
心情風景 その先:評の3(完)
◆佛教の見方の参考書
 ここまでは私が頭で理解しただけの説明ですが、それでも興味をお持ち場合には、以下の
参考書が役立つ筈です。いずれも大きな都市の図書館には所蔵されていると思います。

★佛教の空の思想の参考書
 作者と同じ理工畑の人にとって、現代の思想家と仏教学者双方による説明と質疑を行なう
次の三冊の参考書は非常に解り易く、空の思想の総合的理解に有益であると思います。
いずれも角川書店刊の[仏教の思想シリーズ]です。
 仏教の思想2 存在の分析<アビダルマ>     上座部の倶舎論のことです。
 仏教の思想3 空の論理<中観(ちゅうがん)>  ここからいわゆる大乗になります。
 仏教の思想4 認識と超越<唯識>        深層意識の体系化です。
第3巻の<中観(ちゅうがん)>が説く空の論理は、最初は正直いって取っ付き難いので
先ずは、第2巻の<アビダルマ>と第4巻の<唯識>を読まれることをお勧めします。
<アビダルマ>と<唯識>ともに最初は煩瑣に感じますが、理系にとってはむしろ段階的に
理解できる利点があります。
実際、大きな禅寺では、この二つを付属の学林で学習しつつ、空の境地は座禅の実習により
会得するという所が多い筈です。
 ハードカバーとして出版されたこのシリーズは、すでに絶版となっていますが、その後に
角川ソフィア文庫として復刻されました。

★空に関するギリシアの知性と佛教の智慧の対話について
 上記三つの参考書は、いずれも現代人の立場から佛教の空の論理を考察した対話ですが、
今から2000年以上前の西暦前二世紀後半に起きたギリシアの知性とインド佛教の智慧の
対話を記した次の参考書が有ります。
これはミャンマーに伝わったパーリ語経典[ミリンダ王問経]を現代語訳したものですが、
当時のギリシアの知性が佛教について問いかけ、これについて佛教智が答えるという形式を
もつ対論集であり、現代人の読み物としては、寧ろこちらの方が解り易いかも知れません。
 [ミリンダ王の問い1・2・3]  平凡社東洋文庫
 これは、アレキサンダー帝国が分裂したあとに、印度北部とアフガニスタンの領域を支配
したグリーク朝(ヘレニズム王朝)を受け継いで王となったギリシア人のメナンドロス1世
(ミリンダ王はそのインド風訛り)が、その領域中で佛教の長老ナーガセーナのもとを訪れ
対論した時の内容を記した経典の翻訳です。
この対論の当時は、すでに印度北西部にはギリシアのヘレニズム文化が浸透しており、逆に
ギリシア人にも佛教の存在が知られて居ました。
ヘレニズム文化が持ち込んだギリシア彫刻の影響を受け佛像が出現したのは、おおよそこの
ミリンダ王の頃です。
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