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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

2903万理久利:2013/10/18(金) 19:38:09
無限回廊 第十三回 評1
 毎回著者が代わるこの作品の面白さは、著者それぞれの特異性が出て飽きがこないこと、
書き手が代わる度に読者が予想もしない大展開があること、それでいてどこか一本の糸で
繋がっていることに気づかされることだ。糸の中には「筋」、「裏付け」のようなもが含
まれる。とてつもない展開のでも、その糸があるからどこか安心して読めるのだろう。
奇想天外な展開の中にも納得させるものがあり、登場人物の夢が夢でなくなるような希望
が持てる。
 遠い惑星に移り住んだ人類の生活に過去の知恵を生かしてより人間らしい生活をめざす
ため、そして21世紀のこの地球を少しでも健康で長生きさせたいと願っている遠い未来
からやってきた登場人物達。そんな彼等を、読者も知らぬ間に応援したくなっているのだ。

 今回担当のバード・ブレインは、この無限回廊の発案者だけあって第一回できっちりと
作品の大枠を押さえた。十三回を迎えても登場人物の主要な性格、特質をぶれることなく
うまく表現していると感じた。
 とりわけ今回はストーリー全体に目だった進展はなく、主要登場人物三名が異なる精神
科病院に二ヶ月間閉じ込められるという狭められた設定になっている。その特殊な状況ゆ
えに、それぞれの性格が象徴的に描かれる。反応、行動ひとつひとつが、これまでのスト
ーリーを思い出させ、「なるほど、こうなるか」と深く読者を納得させてしまうのである。

 設定は狭められているが、中味は広い、ある意味深い。哲学、宗教、文学、科学、生物
学、芸術、そしてコミックの世界まで包含してしているように思える。
 見方によっては作品自体がコミックと言えなくもない。その軽妙な乗りと深刻さを通り
越してお笑いにひきずりこまれる気楽さがある。しかし、それに騙されてはいけないのだ。
 著者はときに物語の中の本郷淳吾に乗り移って暴れまくり、ときに狂言師(語り部)と
してこの無限回廊を駆け巡る登場人物たちの交通整理をする。発案者だけあってこの作品
の語り部たる能力は高い。そう思わせてくれた今回の作品であった。
   詳細に続く
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