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「無限回廊 第十二回」感想その2
★煩悩と迷宮
作者がカミノに言わしめている「煩悩とは心の中の迷宮」とは言い得て妙である。
確かに嫉妬や恨みや欲望は公正さや正義や道理を見失い、冥府魔道を彷徨うこと
であろう。また「進化とは、生きていくのに必要な複数の選択肢の中から、その
生物種にとって最良の解を選ぶ能力を身につけることだ。」とも言っている。
これはイギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』)
での遺伝子レベルにおいてであり、人間としては「利他的な関係」もないとうま
く共存出来ないのではと思う。
その意味で人間の行動はカルマ(業)の意味する因果応報の法則に帰するゆえ、
嘘や欺瞞は白日の下に晒され惨めな結果を招き、進化のための最良の解を得るこ
とは出来ないだろう。
★選択と迷い
ただ知能や意識のない遺伝子レベルでの選択の迷いはないのではないか。そのレ
ベルでは生き残るための突然変異を促すという志向性はなく、たまたま各々の環
境の変化の中に生存する遺伝子が突然変異を興し、環境に最も有利なものだけが
生き延びて繁殖するというのが自然選択説であるから。一方生物のレベルでは、
人類が知恵の力、中でも言葉の力を持っていることが、未来への志向において最
良の解を求めるための有効な手段となるだろうことは理解出来る。
★輪廻転生
「佛教の場合は生まれ変わりはないというのが正式の見解だ。それは、人は一定
の人格を保ったまま生まれ変わるわけではないという意味である。」とあるのは、
人は死んで原子にもどる。それが長い間に植物や人間の細胞に取り込まれて再
生するという意味ではないか。
★帰還船団の乗組員
越智十三の子供、陽十三(ひとみ)への生誕の疑惑は機関船団の乗務員との子供で
あったことで、タイムトラベルの「親殺しのパラドックス」をうまく躱したようだ。
もう一つ悩ましい問題は、「帰還船団がポーライ星系の第三惑星ショウ星を出発し、
過去の地球へ到着するまでの記憶を消去された」とすることだ。理屈では判っても、
過去へ戻るのに過去の記憶を消すということが、何となく釈然としないものが残る
のはなぜだろう。はたして過去へもどるのなら、未来での生きた記憶そのものもま
た自動的になくなるのではないか、などと難しい問題たくさんあって面白い。だか
らカミノ教授も鳩園看護師も記憶が消されていないと矛盾ではないか。ああ判らな
くなった・・・。
まあこの物語は異次元の世界も包括していそうだから、不可思議な現象もおおいに考
えられそうだ。 おわり
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