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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

2301長岡曉生:2012/07/28(土) 02:57:45
天使ごっこ・悪魔ごっこ(9)最終回:評の2
◆朝7時丁度のジジジー音
家族と離れて一人暮らしを始めた晶は、窓から入る朝風に刺激され、昔秀に教えてもらった
言葉ドッペルゲンガーを想い出す。きっと、自分一人で暮らす状況が自分の内面に潜む影の
力に敏感になったのだろう。
晶が、影つまり別の自分と認識する対象に、潜在意識中の人格・すぐ近くに現われる霊的な
?影・別な体を持った人間などと、広い範囲を含めている点が面白い。
秀から見た晶は互いに入れ替わってしまうようなドッペルゲンガーであり、二人ともある時
は天使、ある時は悪魔となる存在だが、しかしお互いは相手を天使的存在と見ているらしい。
天使君とは悪魔君とは何ぞや、という物語が始まって以来ずっと解けなかった謎が、ここに
来てようやく明かされた。

◇くっきりと斜めに影があるね
もう一度、秀の前にクライアントの少年が登場する。少年が選んだズボンとセーターの色の
水色と黄色は補色同士の組であり目立つ取り合わせであるが、宇宙空間を象ったジオラマの
世界では真っ黒である。この水色と黄色の組は、色彩心理的には心配事を象徴しているが、
少年の心配事は、秀の急死を予感していたのだ。
少年と手を繋いで砂場のある公園まで歩く秀は父親の気持ちを味わう。妻との間に(本当は
晶との間に)子供を授からなかった秀の寂しさが、じわりと伝わってくる場面である。

◆一昨日も昨日も朝からずっと雨だった。
だから、晶は秀の通夜に出かけなかったのだ。
今日も強い日差しを言い訳にして、秀の告別式には出かけない晶。
儀式に出かけなくとも二人の心は繋がっていた。これから夢の中で、秀と出会うのだ。

◆◇◇真っ白にそびえる大きな桜の木
この節は、晶の夢の中の世界である。
秀のクライアントの少年の代わりに、晶が昔実家近くの公園で出会った少年が登場し、秀と
晶の前でジオラマを作っていた。秀はこの少年のことが自慢らしい。
時間が経って公園から帰る時には、三人は並んで歩き出した。
まるで、親子のようである。

◆以前来た時よりずっと公園が広くなっている
この節も、晶の夢の中の世界であり、登場人物は、晶と秀と少年の疑似親子三人である。
舞台となる公園は、なぜか作品の最初の舞台の日比谷公園に変っている。
音楽堂から流れてきたサイモンとガーファンクルの曲「4月になれば彼女は」を聴いて、晶
と秀とは、異なる受け止め方を示す。
曲が終ってすぐに晶が二人と別れたことが、やや唐突な感じを受けるが、秀と少年との二人
だけにするための設定だっったのだろうか。

∞ピンポーンは宅配便のインターホンだった
秀の告別式と火葬の当日、眠りから眼が醒めた晶は秀が送ってきたCDと手紙を受け取る。
秀が宅配便に乗って時間をかけてやって来たのだ。今日はこれからゆっくりこのCDを秀と
一緒に聴こう。

このあとの一番最後の締めが、余韻を残してなかなか良い感じである。

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