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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

2064赤松次郎:2012/03/14(水) 07:25:18
評論について
青空文庫で夏目漱石が他の作家の作品への書評にたいする観点を書いている文を見つけたので
取り上げてみた。私も感想や評をするときにその作家の、人と違う趣向や意見や個性を見つけ
るように心掛けたいものだ。

長塚節氏の小説「土」
一方に斯んな考えがあった。――
好い所を世間から認められた諸作家の特色を胸に蔵して、其標準で新しい作物に向うと、まだ
其作物を読まないうちに、早く既に型に堕在している。従ってわが評論は誠実でも、わが態度
は独立でも、又わが言説の内容は妥当でも、始めから此方に定まった尺度を持っていて、其尺
度で測ってならないもの迄も律したがる弊が出る。其結果は働きのない死んだ批評に陥って仕
舞う事がよくある。
 夫よりか、今日迄文壇に認められなかった、若くは顧みられなかった、新しい特殊な趣味
を、ある作物のうちに発見して、それを天下に紹介する方が評家に取って痛快な場合が多い。
又其特殊な趣味が容易に多数に肯われない所を、決然身を挺して唱道する所が、評家会心の点
らしい。文壇はこれがために、新領土を手に入れたと同じ訳になるからである。
一方に又斯んな事実があった。―― とまだ続くのだが、最後に「余が新しい作家を紹介するの
は、ミルを以て自ら任ずると云うより、かかる無責任な評論家の手から、望みのある人を救お
うとする老婆心である」と言っている。






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