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☆☆☆☆☆ 同 人 α ☆☆☆☆☆ - ニューロン・カフェ

1222万理久利:2011/03/26(土) 10:23:27
「夢(ゆめ)と現(うつつ)の狭間で」評の2
公僕も民間も否応もなく転居を迫られることがあります。
知り合いの地方警察勤めの人も県内とは言え三年に一回くらいの頻度で勤務地も住まいも変わりました。
子供はその都度転校です。知り合いの判事もこれまた数年に一度の転勤です。これは県を飛び越します。
知り合いの保険会社勤務の男性も同様です。沖縄からいきなり北海道という飛び具合です。国を移動す
ることもあります。これら全て自分が望まなくとも、職場、生計を維持し続けるためのものです。

さてこの作品の主人公は。浪人中とあり、親の都合や金の都合ではなさそうです。松濤を頭に一年の間
に五回の引っ越しをしています。青春まっただ中の気軽さもあるのでしょうが、何とも回数が多い。

それぞれの場所の空気、風景、そこでのエピソードを何気なくかつ丁寧にそしてコミカルに表現してい
ます。どうやら観察好きらしい。そしてある時点まで観察が終了すると、ふらりと移動するようです。
そこで一つの物語が終わります。特別の外的理由はなさそうですから、これは内的理由としか言えません。
人より飽きっぽいのか感度が良いのでしょう。二ヶ月滞在でも一年近くいた感覚を持ってしまいます。
次のものを見たくなるのです。 定住を嫌うというよりも出来ない青年なのでしょう。青春時代はこんな
人間はいるのかもしれません。ただ主人公は土地に対するこだわりが極端に薄く、移動が苦ではないとこ
ろが人より抜きん出ているように思います。

さて主人公は何を見たいのか、見つけたいのか、人間、自然、社会全て、そして夢、可能性、それは煎じ
詰めれば自分自身なのかもしれません。そんな意識はさらさらないようですが。その姿は老成した好奇心
いっぱいのお坊ちゃんにも見えます。そのギャップがまた面白い。
つづく
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