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Japanese Medieval History and Literature
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老耄鳩杖
小太郎さん
日本古典文學体系44『中世近世歌謡集』を借りてきて眺めていますが、若い頃、『閑吟集』が好きでときどき読んでいたせいか、ついつい、『宴曲集』を中断して、『閑吟集』の方をを見てしまいます。
「撰要目録 序」にある「老耄鳩杖」は、『増鏡』の冒頭を想起させますね。
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(嵯峨の清凉寺に)八十にもや余りぬらんと見ゆる尼ひとり、鳩の杖にかかりて参れり。
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また、
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藻鹽草かき集めたる中にも、女のしわざなればとて漏らさむも、古の紫式部が筆の跡、疎かにするにも似たれば、
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とは、この女に対してずいぶんな褒め様(ヨイショ?)で、
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苅萱の打亂れたる様の、をかしく捨がたくて、なまじひに光源氏の名を汚し、二首の歌を列ぬ。
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とは、撰者が、どこを「をかしく捨がた」いと感じたのか、不明ですが、「なまじひに光源氏の名を汚し」たシニカルな批判精神が面白い、ということかもしれませんね。
追記
『撰要目録』の「序」は短いものですが、洞院家と南家の三位(藤三品?)と或女房へ言及した各々の文の量がほぼ同じ、つまり、或女房のものは僅か二作品にすぎないのに、洞院家と南家と同格の扱いを受けているとも言えるわけで、尋常な文章ではありません。この女房の身分の高さを物語っているような気がします。
この二作品は、故あって採った、と言えばすむ話ですから。
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