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Japanese Medieval History and Literature

7273鈴木小太郎:2021/12/27(月) 16:49:46
斎藤幸平氏とコロナ禍(その3)
岩波書店の『世界』は、同社の宣伝文句では、

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『世界』は、良質な情報と深い学識に支えられた評論によって、戦後史を切り拓いてきた雑誌です。創刊以来70年余、日本唯一のクオリティマガジンとして読者の圧倒的な信頼を確立しています。とりあげるテーマは、政治、経済、安全保障、社会、教育、文化など多様ですが、エネルギー、地域、労働・雇用、医療・福祉、農と食などの分野の記事も掲載しています。 もっとも良質で、もっとも迫力ある雑誌をめざします。

https://www.iwanami.co.jp/magazine/

という雑誌だそうですが、「日本唯一のクオリティマガジン」はいくら何でも厚かましいですね。
私は『世界』に「良質な情報と深い学識」があるとは思えず、もちろん購読していませんが、944号(2021年5月)は「人新世とグローバル・コモンズ」を特集しているので、図書館でバックナンバーを覗いてみたところ、当該特集自体はそれほど感心しませんでした。

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特集1 人新世とグローバル・コモンズ

 人類は地球を圧倒する存在となった。
 今後は、地球を管理していかなければならない。
 ――SF小説のストーリー設定ではない。直面する現実である。
 地球史の中では一瞬の閃光にすぎない近代以降の人類の活動が、気候をはじめとする地球環境や生態系に破壊的な変化をもたらしつつある。
 科学からのメッセージは明らかである。我々に残された時間は少ない。この状況を科学的に早急に把握し、人類は協調して対処する必要がある。
 もし、それができなければ? 人新世=人類の時代も長くは続かないだろう。
 地球というグローバル・コモンズとの向き合い方を特集する。

https://www.iwanami.co.jp/book/b577044.html

まあ、「科学」というよりは「宗教」っぽい情熱に溢れた「論文」が多いのですが、この特集とは関係のない山岡淳一郎氏の「コロナ戦記 第8回 「死の谷」に落ちた国内ワクチン」には、『世界』にこんな「良質で、もっとも迫力ある」記事が載るのかと、ちょっと驚きました。
冒頭から少し引用してみます。(p32以下)

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前代未聞の薬剤─驚異的な開発スピード

 パンデミックの出口は見えず、世界の人びとは恐れと倦怠の日々を送っている。ただ、この長いトンネルの向こうにもワクチンという光がさしてきた。
 世界が新型コロナウイルスに翻弄されるなか、ワクチンだけは驚くべき速さで開発された。出遅れた日本でも、医療者への接種が先行して始まり、四月半ばには高齢者への接種が開始される。昨春、コロナの第一波が来たころ、一年後のワクチン実用化を予見した感染症専門家はほとんどいなかった。過去に最も早く開発されたおたふく風邪ワクチンでさえ認可までは四年かかったのだから無理もないが、「数年を要する」はずが実際には一年足らずで承認された。間違いなく、医薬品産業の秩序を激変させる破壊的イノベーションが起きている。
 ゲームチェンジャーの一人は、ドナルド・トランプ前米国大統領だった。昨年五月一五日、トランプ氏が記者会見で「できるだけ早く(ワクチンを)開発、製造し、供給したい」と訴え、開発計画に「ワープ・スピード(ものすごい速さ)作戦」と名づけたときは秋の大統領選を睨んだ大言壮語のように聞こえた。「マンハッタン計画(第二次大戦中の原爆製造計画)以来の大規模な試みだ」と語るにいたっては被爆国の人間としては鼻白むばかりだった。
 ところが、である。トランプ氏が確保した開発予算一〇〇億ドル(約一兆七〇〇億円)は、米国立衛生研究所と軍、製薬会社に結束を促し、有望なワクチン候補を絞り込んで開発を加速させた。製薬大手ファイザー社とドイツのバイオ企業ビオンテック社のコンビが先陣争いを制する。史上初めて、タンパク質をつくるための設計図=メッセンジャーRNA(mRNA)による感染症予防ワクチンを完成させ、承認を勝ち取ったのである。
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トランプは「リベラル」なメディアからは毛嫌いされ、その政策がきちんと紹介されることはあまりなく、また、特に新型コロナに関してはマスクを拒否する姿勢が目立ったので、非科学的な政治家であるかのような印象を与えていましたが、ワクチン開発への貢献はすごいですね。
バイデンは、少なくとも新型コロナに関してはトランプの遺産で食っているような人です。
さて、ではワクチン開発の具体的様相はどのようなものだったのか。(p33以下)

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 開発スピード、有効性、安全性、さまざまな意味でmRNAワクチンは前代未聞の薬剤だ。その開発の立役者は、ビオンテックの最高経営責任者で、トルコ生まれの免疫学者、ウール・シャヒン氏である。二〇二〇年一月中旬、中国が新型コロナの遺伝子情報を発表するとシャヒン氏は直ちにmRNAワクチンの作成に取りかかった。二週間後には一〇〜二〇種類のワクチン候補薬をコンピュータ上で設計し、得意先のファイザーに共同開発を持ちかける。両者はバートナーシップを拡大し、三月半ばには最大で七億五〇〇〇万ドル(八二五億円)の仮契約を交わした。
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いったん、ここで切ります。

ウール・シャヒン(1965生)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%92%E3%83%B3

>筆綾丸さん
宮坂著は未読なので、レスは後ほど。




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