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Japanese Medieval History and Literature
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電卓男
>筆綾丸さん
計算してみました。
「宏済善堂がペルシャアヘンであげた二千万ドルという金額は、当時の為替レートで換算し、現在の貨幣価値に直すと、三十兆円近くにのぼる」の部分ですが、ペルシャ産アヘンの輸入は昭和13年(1938)ごろの話なので、当時は1円=0.3ドル程度。
とすると、2000万ドルは約6666万円。
日銀の企業物価戦前基準指数を用いて、『阿片王』が出版された平成17年(2005)と昭和13年(1938)の物価水準を比較すると、
665/1.327=501.13
即ち、約500倍と考えればよい、と。
とすると、昭和13年当時の2000万ドル=6666万円は、平成17年には334億となり、佐野氏の言う30兆円とは3桁違ってきます。
また、「里見の証言でもう一つ注目すべきなのは、蒙古産アヘンの取り扱い量の多さである。その量はペルシャ産アヘンの実に二千五百倍に達している」との部分は、その前、262ページの「私の売った阿片の量は全体でいくらであつたかは正確には記憶致してゐませんが、大体ペルシヤ阿片四千函、蒙古阿片一千万両程であつたと思ひます」を受けているのですが、里見証言では明らかに「函」「両」を使い分けているのに、佐野氏は単位が同じだとして、10,000,000/4,000=2,500倍と計算してますね。
しかし、260ページに「ペルシアの阿片は一六〇ポンドの箱、即ち1920両づつの箱に入れられて来ました」とあることからも明らかなように、四千函とは1920両の箱が4000個ということですね。
蒙古阿片一千万両は1920で割ると5208箱となり、ペルシヤ阿片4000、蒙古阿片5280という割合は、当時の諸事情を考えると、まあ妥当かな、と。
アヘンの価格は時期によって相当変動が激しく、ペルシャアヘンは高く売れる時期に輸入したらしいのですが、ま、それも考慮せず、蒙古アヘン5208箱がペルシャアヘンと同じ割合で利益を出したとすると、平成17年の物価に換算すれば、
334×5208/4000=435億。
ペルシャと蒙古の合計で、平成17年の物価で考えて利益は769億、と。
ま、当たらずといえども遠からず、という感じはしますね。
江口圭一氏の『日中アヘン戦争』(岩波新書、1988)に、割ときちんと数字があげられていたような気がするのですが、手元にないため確認できません。
それにしても佐野眞一氏の注意力と計算能力はひどすぎますね。
参考
東京大学、伊藤隆敏氏「円の歴史PPP」
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~tito/course2006/JS/InternationalFinance/if_9.pdf
日銀「教えて!にちぎん」
http://www.boj.or.jp/oshiete/history/11100021.htm
>井上さん
サンキュです。
>釈さん
本をやたら乱暴に扱って買わずに去って行く人を見ると、一瞬、微かな殺意を覚えました。
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