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Japanese Medieval History and Literature
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土日
私は日本女子大で開催される日本古文書学会大会にて日本史史料研究会の書籍を販売しております。
来場予定の方々、よろしくお願いいたします。
>千々和先生
ご無沙汰しております。
>表紙は、1970年代前半のもの
私は2001年に真仏報恩板碑のある墓地を訪問しましたが、表紙の写真と比べると、だいぶ雰囲気が変わっていました。
検索してみたら、リンク先に墓地周辺の風景写真と真仏報恩板碑の写真がありましたが、板碑の後方の樹木は殆ど伐採されてしまったようですね。
http://haku02.hp.infoseek.co.jp/musashi/magome.html
>阿哈馬江さん
お久しぶりです。
>筆綾丸さん
>里見甫
女優の長山藍子氏は満州生まれで、父親は里見甫(はじめ)が創設した満州国通信社の記者だったそうですね。
私は週刊誌か何かでそれを見たのを契機に満州国通信社(国通)に少しく興味を抱いて、国会図書館で『阿片王』の参考文献にも載っている『国通十年史』(1942)を見つけて読んでみたところ、里見甫なる人物の文章が緻密で格調高い名文なので、一体何者なんだろうと思ったことがあります。
そのため、一昨年に『阿片王』が出版されたときはずいぶん期待して購入し、戦前の里見甫の活動については、ふむふむ、なるほど、と読めたのですが、戦後については全然追及がなされず、周辺人物のアラさがしばかりしているような印象を受けて、少しがっかりした覚えがあります。
改めて読み直してみたら、最初の妻の相馬ウメ、「男装の麗人」梅村淳、その養母の梅村うたに関する部分も、それぞれ時代を鮮明に映し出していて面白いですね。
結局、著者が戦後の里見甫について殆ど追及できなかったのは、里見が「児玉くん」や「笹川くん」などと異なり、大陸人脈を利用することを拒否して地味に生きたからなんでしょうね。
アヘン売買は確かに感心できることではありませんが、アヘン戦争以来、中国には既に暴力組織を伴った強大なアヘン販売網が形成されていて、日本人はとても直接の販売には関与できず、里見も中国側の元締めへの入り口部分を管理しただけで、しかも一切私財を蓄積しなかった訳ですから、「阿片王」のタイトルは少々的外れのような感じもします。
また、里見甫の名文に比べると、佐野眞一氏の文章は無駄な修飾語が多く、「経済の発展と反比例して亢進した日本人の精神の劣化」(あとがき)の一例となっているようにも思います。
例えば、
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梅村は里見と組んでアヘン密売の仕事に関わり、戦後は女優の卵、女医、名もなき女、そして世間知らずの女薬剤師と渡り歩いて、レズ三昧の生涯と閉じた。モラリストならきっと、畜生道に堕ちた女と、唾を吐きかけることだろう。
梅村のふるまいと欲望の深さは、いまさら、人倫に悖ると批判するのもおこがましいような怪物ぶりである。梅村は満州や「魔都」上海で里見と過ごした官能と蠱惑の日々が忘れられず、それを戦後までひきずって虚飾と放埓、淫奔と漁色の人生を送ったのだろうか。
私はあらためて里見という男の、周囲の磁場を狂わさずにおかない底知れぬ魔力に立ちすくむ思いだった。(p.71)
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などとありますが、ま、梅村淳さんも戦後は東京タワーに餃子の店頭販売の小さな店を出したり、鎌倉大町の本妙寺近くでささやかな天プラ屋を経営したりして地味に暮らしていた訳ですから、週刊誌連載中ならともかく、事実関係が一応確定して書籍にする段階では、そこまで下品にののしることもないんじゃないの、という感じがしますね。
佐野眞一氏自身、ちょっと頓珍漢なモラリストの面があって、それが里見への評価にも影響しているのかなと思います。
「阿片王」
http://www.shinchosha.co.jp/book/436903/
長山藍子
http://www.gekidanforyou.com/danin/aiko.htm
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