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Japanese Medieval History and Literature
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天平の亀
http://yamanoguchi.cocolog-nifty.com/blog/
http://yamanoguchi.com/
葛木連戸主と和気広虫を中心に、天平時代の政変劇をめぐる怪異を、軽妙洒脱でやや毒の
ある筆致で描く、歴史小説のようなファンタジーです。
戸主は、氏族にも一人の人間とおなじく寿命があり、葛木氏はわがこと畢り、もはや世を
去るだけの氏族だ、という哲学を奉じて、あをによし平城のみやこの小役人を淡々と勤め
ながら、従五位上紫微少忠という地位にのぼる。広虫は、十代の半ば、備前国藤野郡から
上京し、戸主と知り合い、光明皇后の慈善事業を手伝うべく、夫婦になる。
「三笠山」では、聖武帝に取り憑いた大仏の鋳造の過程がよくわかり、「正倉院」では、
鑾を花蔵の宮に鳴らし蹕を涅槃の岸に住せん、という光明皇后の駢儷体の願文が地の
ユーモラスな文体に象嵌されて独特な雰囲気を醸し出し、「勢多大橋」では、東大寺二月堂
修二会の若水の導き方が波斯国の幻術のように優れていて、「宇佐八幡」では、道鏡没後
の下野薬師寺の言い伝えが哀れを誘います。
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