したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

STAP問題の全解に向けて、その16

841参考資料:2018/01/23(火) 15:30:50
>>800
要旨
理化学研究所(理研)吉田化学遺伝学研究室の凌楓(リン・フォン)専任研究員、吉田稔主任研究員、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)メディカル・ゲノムセンターの後藤雄一センター長らの共同研究グループは、細胞分裂後にできる娘細胞にミトコンドリアDNA(mtDNA)からなる「線状多量体(コンカテマー)」が送り込まれることでミトコンドリアゲノムの初期化が促進されるという、mtDNA複製と分配の新しいメカニズムを発見しました。

1つの細胞には、数千個ものミトコンドリアが存在します。ミトコンドリアゲノムは加齢に伴い変異が蓄積し、成人の体細胞で変異型mtDNAと正常型mtDNAが混在した「ヘテロプラスミー」という状態になります。さらに、変異型mtDNAの比率が一定以上になるとミトコンドリアの機能が低下し、ミトコンドリア病などを発症することが知られています。一方、新生児のミトコンドリアは、ほぼ全てが正常型mtDNAで占める「ホモプラスミー」状態となっています。遺伝の過程で起きるヘテロプラスミーからホモプラスミーへの“リセット”による健全化は、卵子形成あるいは発生の段階でミトコンドリアゲノムが初期化されるために起こると考えられています。しかし、その分子メカニズムは未解明でした。
共同研究グループは、ミトコンドリア病患者由来のヘテロプラスミー状態の細胞に、適度な濃度の過酸化水素(H2O2)を加えて活性酸素種(ROS)[4]を発生させた後、mtDNAを観察しました。すると1つの複製開始点から連続的にmtDNAが複製(ローリングサークル型複製[5])され、多数のミトコンドリアゲノムが直鎖上につながったコンカテマーが形成されることが分かりました。さらにこれらの細胞では、細胞分裂の際に少数の鋳型からできた多数のコピーが娘細胞へ継承され、ミトコンドリアゲノムの“不均等な分配”が起こるため、正常型と変異型の混在が解消されホモプラスミーとなることが明らかになりました。

この結果は、従来の遺伝子の複製機構では説明できなかったミトコンドリアゲノムの初期化機構に、ROSによるローリングサークル型複製の活性化が関与することを示しています。本研究は、母系遺伝(細胞質遺伝)を担うmtDNAの複製・分配機構の解明を通じて、どのような機構を経てミトコンドリア機能を健全化した子孫が誕生するかという、生命の基本原理の理解に迫るものです。
成果は、米国の科学雑誌『Molecular Biology of the Cell』(5月15日号)に掲載されるのに先立ち、オンライン版(3月23日付け:日本時間3月24日)に掲載されています。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板