ミラレパ～ある呪殺僧の死～ - 1409434397

1：ﾏﾊｰ・ｱﾊﾞﾀｰ・mo・えくぼ：2014/08/31(日) 06:33:17 ID:7Z8xDex.O: 「もし、人が悪業を重ねるなら
速やかにﾏﾝｼﾞｭｼｭﾘｰ(文殊菩薩)の住まう浄土に
送り届けるべし(度脱、呪殺)
これが慈悲というものである」
イカヅチをも発せんとする眼光は、呪殺僧に相応しいものだった。
チベットの遅い春5月末(ｸﾞﾚｺﾞﾘｵ歴、現行歴で4月)、釈迦の誕生祭(花祭り)に僧ドルジュダグは法話を開いていた。集まった村人は30人ほど、大きな法話会と言ってよかった。
「グジャっ！」
その時、ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞの首の後ろに貼(は)り付いたモノがあった。「泥」だ。法話壇の横をひとり子供が走り抜けた。
「ミレー、待てー」
もう１人子どもが追いかけてる様だった。泥を投げつけて…。子どもらは走り去った。気がつくと首に付いたハズの泥はなかった。
村人は、首をあげ法話僧の顔を見いっていた。突然、説法が中断したことをいぶかしんでいるのだ。
野の所どころに顔を出し始めたヒナゲシの花は、優しく首を垂れていた。色はチベットの青空と同じだった。

注、このストーリーはフィクションです。実際の人物、団体とは関係ありません。また、理論もこのストーリーの為に設定されたもので仏教とは関係ありません。
17：ｍｏえくぼ：2014/08/31(日) 20:43:25 ID:7Z8xDex.O: >>16タイトル【アバドーンその２】ね。
もう、疲れたよ…
18：ｍｏえくぼ：2014/08/31(日) 20:46:47 ID:7Z8xDex.O: ｍｏーいい。アバドーン終わり。
19：くりマンゴー ◆PTWuwkfBxE：2014/08/31(日) 21:12:17 ID:cIhYCxCc0: 壁|_¨)
20：ｍｏえくぼ：2014/08/31(日) 21:24:56 ID:7Z8xDex.O: (おまけ)
トコトコ
真夜中、山の峰を歩く
「ナイアーラトテップ」
決して、声を掛けてはいけない
月明かりがよく似合うよ

サクサク
砂漠を歩くよ
「ナイアーラトテップ」
顔を覗きこんではいけない
フードがよく似合うよ

とぼとぼ
街を歩くよ
「にゃるらーとぽてぷ」
決して可愛いと思ってはいけない
にゃんころ言葉を話しているよ
21：不思議な名無しさん：2014/08/31(日) 21:25:41 ID:M1SzbRTE0: 文章中の()がラップの合いの手に見えてきた
22：ｍｏえくぼ：2014/08/31(日) 21:26:04 ID:7Z8xDex.O: >>19
あーら、いらっしゃーい(虫の息)
23：ｍｏえくぼ：2014/08/31(日) 21:28:17 ID:7Z8xDex.O: >>21
俺
ぜーんぜん漢字ダメなんどす。
24：不思議な名無しさん：2014/08/31(日) 21:34:56 ID:7Z8xDex.O: >>19
書き込んだー(^O^)／
25：ｍｏえくぼ：2014/09/01(月) 04:43:50 ID:7Z8xDex.O: 【暗黒僧誕生】

奈落(ならく)、重力の牢獄から戻ったﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは殺戮の日々が始まった。相手は主に盗賊団。殺人も辞さない奴らなのだ。度脱(呪殺)しても、盗賊は尽きることがない。
アザートスが復活すれば、これも終わる。神を縛る鎖を断ち切らねばならない。それには、その牢獄の底に降り立つﾖｰｶﾞの力がいる。今はその力がない。呪力を増やさなければならない。
26：ｍｏえくぼ：2014/09/01(月) 05:23:57 ID:7Z8xDex.O: 【問答】

問、僧ｼｭﾘｹｰﾅ
「ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞよ。度脱(呪殺)など止(や)めよ」
答、僧ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞ
「…」
「盗賊団の取締りなど役人の仕事。そうだろう？」
「役人は袖の下が入らねば動かん。役にたたん」
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは続けた。
「放っておけば、村人旅人は殺される。見捨てろと？」
「…」
問、ｼｭﾘｹｰﾅ
「命は盗賊にとっても大切なもの。度脱などよい事ではない」
解、ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞ
「度脱(呪殺)は悪いことだ。しかし、悪人が１人生きるることで村人が10人死ぬなら、１人死ぬ方を選ばなければならない。重要なのは慈悲をもって遂行する事だ。私は自分の行為を隠したりはせん。私が過去の人となった時、その時代の人が私の行為の善悪を判断するであろう」
人が盗賊になるのには理由がある。貧しさが最大の原因だ。ｼｭﾘｹｰﾅは僧侶としてその原因を取り除きたいと思っていた。

注、このストーリーは全てフィクションです。実際の人物、団体とは関係ありません。また、理論もこのストーリー用に設定されたもので仏教とは関係ありません。
27：通りがかりのマニアさん：2014/09/01(月) 12:38:23 ID:7Z8xDex.O: >>26
ロボ出ないんですか？
28：くりマンゴー ◆PTWuwkfBxE：2014/09/01(月) 12:51:35 ID:cIhYCxCc0: >>27>>27>>27>>27>>27>>27>>27>>27>>27>>27
29：ｍｏえくぼ：2014/09/01(月) 12:56:13 ID:7Z8xDex.O: >>27
えーと、第○字九郎とｱﾙ=ｱｼﾞﾌのコンビだったかな？ネットで読んだ。
商業的じゃなく私みたく趣味で書いてるみたいな…

>>ﾏﾆｱ
ロボ、ロボ！

>>mo
設定が8世紀？のﾁﾍﾞｯﾄだからね
石のｺﾞｰﾚﾑでｲｲですか？

>>ﾏ
ロボ！

>>mo
まじんがーＺみたい何だろうか？
30：ｍｏえくぼ：2014/09/01(月) 12:57:14 ID:7Z8xDex.O: >>28
やっぱりロボですか？
31：不思議な名無しさん：2014/09/01(月) 13:06:02 ID:7Z8xDex.O: >>28
お栗さま

ネタ的に
テンプル騎士団とか出そうと思ってるんですよ…。

設定予想
計５人、
クレイモア(両手剣)所有、クラス、ｸﾚﾘｯｸ(聖騎士)４人
後１人は学者風(すぐお亡くなり)
リーダーは…。
おっと昼休みが…。
書き込みできるか分かりませんよ…
32：不思議な名無しさん：2014/09/01(月) 19:13:58 ID:7z69B1UU0: 自演ﾋﾄﾞｽｷﾞｨ！
33：ｍｏえくぼ：2014/09/01(月) 19:25:39 ID:7Z8xDex.O: >>32
ごめんなさい。
そういうスレなんですよ。
34：moえくぼ：2014/09/02(火) 06:33:18 ID:7Z8xDex.O: (テンプル騎士団、設定、メンツ(仮))

聖騎士団(ある目的の為、世界各地に騎士を派遣している)

腰にさした両手剣
白い服、ズボン、マント
胸に赤い十字架
屈強な肉体
１人だけ剣不所持
長身、ひ弱ではないがヤせている。乳首位までの杖。計5人

リーダー(名前未定)
50才ぐらい♂
霊着鎮静、昔はイケイケだったが今は落ち着いている。最後の旅と覚悟している。
副リーダー(名・サブちゃん)
30才ぐらい♂
旅先での交渉、実質のリーダー
ｸﾚﾘｯｸ(名前未定)
♀にしとくか…
40才ぐらいか…
この人だけ独特の刀
細身、方刃、緩やかにカーブ「サムライ・ブレード(草刀)」
ｸﾚﾘｯｸ(名・クトグー)
♂14才ぐらい
激号、闘士、粘着型。喧嘩っ早い
学者風
(早々にやられる)

かな…。
35：不思議な名無しさん：2014/09/02(火) 19:31:34 ID:lawO3qiU0: ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞの問答の続きはよ
36：moえくぼ：2014/09/02(火) 20:24:00 ID:7Z8xDex.O: >>35
こんばんは！
>>26アレで【問答、編】は終わりなんですよ。今、どうしたらロボット出せるかなぁ～とか考えてます。ズッコケたでしょう。

ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは
「これからも俺は度脱は続けていくぜっ」
と言う意識表明です。
あからさまかも知れませんが、作者的には僧侶として如何なもんスカね。もっと根本的な解決を探るべきじゃないですかね？(僧侶じゃなくても)と言う意見提起なんですよ。
私の考え方を押し付ける訳じありませんので色んな考え方はありです。日本で残念なが傷害事件が起こっているのも事実です。暴力を受けている人をかばえる人が多くいますか？
37：moえくぼ：2014/09/02(火) 20:31:02 ID:7Z8xDex.O: アザートスとかネタ的に楽しかったけど、ストーリーの中核は>>26です！
「ツッコミ」が入って、俺「うれしい」ですっ。
38：moえくぼ：2014/09/02(火) 23:02:06 ID:7Z8xDex.O: >>35
ストーリーそのモノの続きなら、土曜日の晩以降にかなぁ～。分かりません。駄文でも時間かかってなかなか…。ロボは後回しにします。
39：不思議な名無しさん：2014/09/02(火) 23:14:54 ID:lawO3qiU0: >>38
ｼｭﾘｹｰﾅに期待
無理せずにb
ﾏﾀｰﾘ待ってます
40：不思議な名無しさん：2014/09/02(火) 23:35:55 ID:7Z8xDex.O: >>39
また、缶理人に言われるかも知れませんので、お名前は1回使用のみと設定させて頂いてます(^^;
41：moえくぼ：2014/09/03(水) 05:34:05 ID:7Z8xDex.O: 【痩せた大地】

大地にしかれた緑の絨毯(じゅうたん)もベージュ色になった。チベットには木は少ない。冬はもう来る。
考え込むことが多くなった。行為を指摘されてからだ。ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞ自身が言ってしまった。
「度脱(呪殺)は悪いことだ」
と。
俺は、このまま続けていくのか？盗賊など砂ぼこりの様に尽きることはない。
農民が冬の備えにワラを積むのを見つめていた。
42：moえくぼ：2014/09/03(水) 06:51:36 ID:7Z8xDex.O: 【痩せた大地、2】

骨と皮だけになっていた。紫のアザも残っていた。ある農夫が死んだ。租税が払えず鞭打たれたのだ。家に帰ったあと亡くなったという。鞭打つその場に、僧侶も居たという。
チベットで富を握るのは、一握りの大土地所有の貴族とそれに寄生する上級僧だ。
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは経をあげた。
後日、１人で遺体を抱き谷の天葬台まで運んだ。掲げられた祈りの旗もまた、痩せていた。
香木を焚き、心を込め祈(いの)った。何十匹というハゲ鷲(わし)が舞い降りその場を埋め尽くした。

「一切の、生きとし生けるものは
幸せであれ、安穏であれ、幸福であれ
いかなる生き物、怯えているもの強剛なものでも、悉く長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも
目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、
一切の生きとし生けるものは、幸福であれ！
あたかも、母親がおのがひとり子を命をかけて護るように
一切の生きとし生けるものにも心を起こすべし」

刃物を取りだし、遺体を解体した。脳も取りだし、骨も砕いた。遺体は鷲が天に運ぶ。後には何も残らない。
「鷲よ、光音天の神は喜びを食し住まうと言う。光音天まで運んでおくれ」
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞはそう告げた。

このストーリーはフィクションです。
43：ｍｏえくぼ：2014/09/04(木) 20:11:58 ID:7Z8xDex.O: >>39
じゃっ、しゅりけちゃん出します。一発出場で終わりの予定でしたが。まぁ、商業誌じゃないんで、どーとでもします。
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞを助けさすつもりです。最低2話先((おら、施婆寺に行くダ編・仮)(西方からの使者・ﾃﾝﾌﾟﾙ騎士団編・仮))かな？間に(ロボット編)投下しますんで、まだまだ先たどり着けるんか、どーか。同時代の英雄「李元昊」の部下にしようかなー…。
「言語に貴賤はあるのか？そんなものはない」by元昊(映画、敦こうだったと思う)

【ネター神】
寝ころがっていると、地獄に引き込まれます。そこには、巨大なゲロ「ネター神」が笛を吹いて私にネタを投下するのです。
「ロボ、ロボ…」
とか…。
決して小出しをねらっている訳ではありません。
ただ、生活に追われているのです。
44：不思議な名無しさん：2014/09/04(木) 22:57:23 ID:lawO3qiU0: 今一番興味あるスレなので楽しみにしてます。
体無理せずまったりとよろしくです。
45：ｍｏえくぼ：2014/09/05(金) 20:52:27 ID:7Z8xDex.O: 【おまけ・豆のさや】

銀河中心核
超巨大ﾌﾞﾗｯｸﾎｰﾙ
限りなく時間の止まる牢獄
光も逃れぬ重力井戸

井戸の底に突き立てられた十字架
はり付けになった、アザートス神
イバラの冠をかぶった、王アザートス
井戸の上からは少女が腕を伸ばす
アザートスもそれにすがるかの様に右腕を伸ばす
ソレを遮(さえぎ)るかの様に、降り注ぐ恒星
十字架から蔓(つる)が伸びアザートスの右腕をぐるぐる巻きにして、さらに伸びた
蔓から白い藤の花が咲いた
静かにしずかに、花が散った
あとに豆を包んださやが出来た
少女はそっと、さやをつむ
「ブヘーッ」
アザートスのくわえた魔笛が悲鳴をあげた
十字架もろとも、アザートスの体が崩れ去る

童話「ジッ○と豆の木」の豆はﾅｲｱｰﾗﾄﾃｯﾌﾟがもって帰ったものなそーな
46：通りすがりの不思議さん：2014/09/05(金) 20:57:16 ID:7Z8xDex.O: >>45
ジャッ○と豆の木ですな…。
47：不思議な通りすがりさん：2014/09/06(土) 18:29:27 ID:7Z8xDex.O: 土曜の晩が来たぜ
48：ｍｏえくぼ：2014/09/06(土) 19:01:43 ID:7Z8xDex.O: >>44
ありがとうございます！
設定のお知らせをしときます。
ミラレパとﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは別人で、ミラレパの先生がﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞです。詳しい方なら？？？でしょう。まぁ、フィクションが前提のストーリーです。
文章のチープさも含めて「楽しん」で頂ければと思います。
たまたま読んだ方には、仏教ぽい所もありますが、これが仏教の全てではないと思って欲しい。非常に学派が多いですし、私は少ししか知らないのです。
49：不思議な名無しさん：2014/09/06(土) 19:12:17 ID:lawO3qiU0: >>48
文才おありでしかもテーマが深い。
読み入ってしまいます。
50：不思議な名無しさん：2014/09/06(土) 21:53:32 ID:7Z8xDex.O: 【摩利支天(まりしてん)の部屋】

夜、ﾏｰﾘｰﾁｰの法(隠形法)を使い僧の部屋に忍び込んだ。大地主と結託する僧を突きとめたのだ。
隠療(寺院の建物のひとつ)の奥の部屋。
「誰だ！」
「ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞだ」
「不粋(ぶすい)だぞ。ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞっ！」
女性ﾊﾟｰﾄﾅｰが奥に逃げた。
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは言った。
「ふん、性的ヨーガか…。そんな事をｼｬｶﾑﾆ(釈迦牟尼)がしたと思うのか？」
「性行為は肉体から、上2層の次元の扉を開く(肉体、ｱｳｽﾄﾗﾙ、ｴｰﾃﾙ)。凡人でもな。だから、中有に浮く魂が入り込み人として誕生できるのだ。2層目の扉から更に上位の扉を開けば(ﾒﾝﾀﾙ、ｺｰｻﾞﾙ以降)悟りに達する。性的ヨーガには意味があるのだ」
「性的ヨーガなぞ、観想で出来る…。まぁ、よい」
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは続けた。
「なぜ、大地主と結託(けったく)する？我々僧侶は正しい方法でえた布施のみで生きねばならん。餓死をも厭(いと)わん。ｼｬｶﾑﾆの志を忘れたのか？」
「正しいとは、どういう意味だ？我々が食っていけぬではないか」
「寺の穀物庫を開け。周囲に返すのだ」
「なに？」
「私にも慈悲はある。穀物庫を解放することで許してやろう」
「ヒャー、ヒャー、ヒャー(笑い声)。おっ、オマエが『慈悲』だと？ヒャッ！息ができん。ヒャー、ヒャー腹が痛いわ。ヒャー」
相手の僧ﾊﾛﾊｰｷは転がり笑った。

このストーリーはフィクションです。実際の人物や団体とは関係ありません。また、理論もこのストーリー用に設定されたものです。
51：通りすがりの不思議さん：2014/09/06(土) 21:55:33 ID:7Z8xDex.O: >>50
「ｍｏえくぼ」が抜けた…
52：ｍｏえくぼ：2014/09/10(水) 21:24:57 ID:7Z8xDex.O: 【おまけ・姉妹】

「たいへんだー
たいへんだー、お姉ちゃん
たいへんだー」
少女は、豊満な胸に飛び込んだ。
「あなたの、『たいへんだ』は聞き飽きましたよ『にゃるとらるほてぷ』」
「ニグラス姉ちゃんの、能なし役立ずの手下ぜーん員、ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞ様にぶっ(削除)されたよ」
「まぁ、物騒な言葉を使うモノではありませんよ。私もアザートスのように強力な使いを持ちたいものですね…」
「おもしろい迷い狼、見つけたよ。決闘と称して命の奪い合いに血眼になってるんだって…」
「まぁ、狂っているのでしょうかねぇ…ホホホ」
「アハハ」
53：不思議な名無しさん：2014/09/12(金) 22:47:01 ID:7Z8xDex.O: ちょっと休みます
54：不思議な名無しさん：2014/09/21(日) 21:54:57 ID:7Z8xDex.O: 新スレ立てた！
「幻術放下師、烏羽玉(うばたま)庵」
だったかな？小学生さんが読んで楽しめるモノ書きたかったんだよね。こっちは呪殺とかぶっそうだし密教モドキで理屈っぽいんだよね。
55：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 02:04:26 ID:7Z8xDex.O: 【獅婆寺(しばぁじ)】

吹いてくる砂埃(ほこり)に冷たさを感じていた。
「そーだ、よく出来た。ここにもひび割れがあるな」イシリーは、寺びと2人とヤク(家畜)の小屋の壁の補修をしていた。冬への備えとして、ひび割れた壁に泥を塗り補修するのだ。梁のズレがあればソレも直しておく。
寺びと2人には、脳の障がいがある。管長のﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは彼に必ずつけさせるのだ。薬草つみの時もそうだ。午前中はそれに時間を費やした。
午後は、寺院内の病人を看(み)てから参拝者の案内をした。ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞが病人、死に待つ老人、孤児、障がい者を寺に連れてくるのだ。
「さあ、こちらが文殊菩薩像ですよ。むかし賊が寺に押し入った時、利剣をふるい撃退しました。左肩の傷はその時のものですよ」
いつの頃からか言われ出した事を、イシリーは参拝者3人に語った。庶民はこうゆう話を好む。かつては、経典を崇(あが)めるものでなく真理を顕(あきら)かにするものとして広めたかった。しかし、庶民は文字を読めないのだ。
参拝者がキョロキョロ寺院内を見ているようだった。
「今日は管長(ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞ)は出掛けてますよ」
そう説明した。
ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞは最近庶民に人気がある。山賊退治の行者、かつてﾁﾍﾞｯﾄの神々を調伏(ちょうふく)したﾊﾟﾄﾞﾏｻﾝﾊﾞｳﾞｧの再来、ヤーマ天(地獄の閻魔大王)を殺す者ｱｻﾞｰﾄｽ神の化身などと言われていた。
人は残酷だ。山賊はかつて自分たちの同胞、農民なのだ。

※寺びと=(特に僧籍でなく寺に住んでる人、勝手に言葉つくりました。本来、官がん的な意味がある様な…)
このストーリーはフィクションです。実際の人物、団体とは関係ありません。
56：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 02:46:54 ID:7Z8xDex.O: 【獅婆寺・２】

スプーンを手から落とした。一瞬じぶんが眠ったことに気が付いた。別のスプーンを出す。
「今生で悟りに至るのは諦(あきら)めた」
最初は悲痛な叫びだった。密教僧としても、ヨガ行者としても終わっているのだ。でも、仕方ないとイシリーは思っている。彼は副司(ふうす・寺の経理、金銭管理を担う)であり後輩僧にまかしてよい仕事もあった。しかし、性格なのだ。自分でみて回りたい。ゆっくり経典も読んでいないし、哲学事案の考察、ヨーガ行の暇もない。病人の世話、死にゆく者の看(み)とり、薬草つみ、参拝客の案内、家畜の世話、帳簿づけ…、ほとんどが僧でなくても出来ることを笑った。
かつては、ヨガで自分自身を頭の上から見ることが出来た。仏、菩薩のビジョンが目の前に顕現し優しく語りかけてきた。もう、今はない。さびしいが仕方ない。
やつれている老人に、スプーンで粥(かゆ)をすすめるがほとんど飲まない。人生の晩年ぐらい安らかに過ごして欲しいものだと思っていた。

(獅婆寺の巻き、おしまい)
57：通りがかりの不思議さん：2014/09/24(水) 02:50:00 ID:7Z8xDex.O: >>56
イシリーさん、サトれないんですね…
58：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 02:54:47 ID:7Z8xDex.O: そーは思いませんよ。
ある人が
「意味のある人生をおくること」
と言いました。
59：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 03:17:09 ID:7Z8xDex.O: >>28
次回、ロボ出すよー。
(予告編)
【スナイパー型人形兵器・超弩級砲インドラの雷(いかずち)が火を噴(ふ)くぜの巻き・仮】

(場所設定・南国の島、ヤシの木がある様な…)

ｱﾙ･ｱｼﾞﾌ(女の子・仮)
「ふー、これで大丈夫ね」たこリン(タコつぼ漁少年)
「まだ、終わりじゃない。タコつぼ漁師のほこり見せてやるぜ…」
「はぁ？」
「化け物(クトゥルフ)の背中に銛(もり)を打ち込んでやる」
「ちょっとお、これスナイパー型で突撃兵器じゃないんだよ」
「あんなのがいる限り、ゆっくり悪夢を見れないんだよ！」
60：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 03:28:51 ID:7Z8xDex.O: ちゃんと、11世紀？ﾁﾍﾞｯﾄ、ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞとつながった世界ですからね。
61：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 19:57:49 ID:7Z8xDex.O: ロボ編に、アザートス、ﾄﾞﾙｼﾞｭﾀﾞｸﾞちょい出するよ！
62：ｍｏえくぼ：2014/09/24(水) 20:28:32 ID:7Z8xDex.O: 【おまけ・ニャルな秋】

「小さい秋
小さい秋♪
小さい秋
見ーつけた」

「小さい秋
小さい秋
小さい秋♪
見ーつけた」

アナタの探しもの
「アル・アジフ」じゃないでしょ？
ねぇ、詩人さん
手が届かないことは、分かっていたでしょう？
ねぇ、「アブドル・アルハズラット」
失ったものは、再生しない…

「小さい秋
小さい秋
小さい秋♪
見ーつけたー」
紅葉というには、お粗末すぎる
都会の街路樹の下を
トコトコ、とこトコ
「にゃるらとほてぷ」は歩く
63：不思議な名無しさん：2014/09/29(月) 21:28:21 ID:7Z8xDex.O: また、「うばたま庵」レスったで！
会社返りのオジさんから、子供まで楽しめるモノ書きたいんでヨロシクな♪
64：Ｍｏえくぼ：2014/10/04(土) 12:33:13 ID:7Z8xDex.O: ネタあるけど面倒くさい。1スレ1～1,5時間かかるし…。私が口頭でしゃべるんで誰か隣でﾀｲﾋﾟﾝｸﾞしてくれる方いませんか？
65：Ｍｏえくぼ：2014/10/13(月) 02:04:43 ID:7Z8xDex.O: 【ロボ編やるよ！】

その前に設定。
チベット密教界に「埋蔵経」というのがある。押さえていて欲しい。
ある聖者が
「まだ、この真実を公開すべきではないな」
と判断したら経典をしたためた後、隠されることになる。あるブログによると異次元に秘められることもあるとか。

気が付いた人もいるかも知れないけど、これは「偽経」を産み出す原因にもなりうる。いわゆる、フェイク、勝手に作られたお経やね。だいたいの宗教家がそうだった様に、ｼｬｶﾑﾆは経典を自筆はしていない(残していない)。また、チベット密教界も「偽物」は偽物と判断できるんだと言うスタンスをとっている様に、見える。

間が空いたから、アンチさんすらも読んでくれないだろうな…。
66：不思議な名無しさん：2016/12/22(木) 19:07:58 ID:hs6NkVAc0: (-.-)Zzz・・・・m(__)m ノ~~~♪ ♪Ю―(^▽^o) ♪