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アラシ投稿専用掲示板

1360転載:2020/07/09(木) 14:57:41

 ・・・たしかに、われわれを包むもっと高位の意識、つまりフェヒナーのいう地球の魂などの概念が、オーソドックスなものとなり流行するようになれば、ありとあらゆる迷信や狂信がはびこり出すに違いありません。フレデリック・マイヤーズは、いわゆる心霊現象を科学的に承認すべきだと熱心に主張しており、私自身もこういう現象のほとんどが実在に根づいていると確信していますが、科学がそれらを認めようものなら、迷信や狂信はさらにあふれかえることでしょう。
 けれども、そんな臆病な考えから、最大の宗教的な可能性を明らかにもたらしてくれる道をたどることを、本気で思いとどまるべきでしょうか? この複雑な世界において、何かよいものが、独立した純粋な形で与えられたことが今までにあったでしょうか?(中略)砂金は、石英の砂からふるい出されます。この条件は、他のすばらしいものを手に入れる場合と同様、宗教にもあてはまります。
 ふるいにかけること、つまり生存競争が必要なのです。しかし、最初は土も宝石も混ざり合っているはずです。それをいったんふるいにかけると、宝石だけを取り出して、検査し、概念化し、定義し、分離することができます。けれども、このふるいの過程を避けるわけにはいきません。そんなことをすれば、すでに述べたように、薄っぺらで劣った抽象物、つまり、スコラ神学の、中身のない非実在的な神か、理解できない汎神論的な怪物を得るはめになります。一方、経験的な方法を用いれば、人は想像のなかで、もっと生き生きとした神的な実在と結びつくようになるはずです。

        (日本教文社『ウィリアム・ジェイムズ入門』,本田理恵訳より)


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