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「本流復活派」板

1114神の子様:2020/12/25(金) 19:29:12

サンタさん ありがとう (5849)
日時:2011年12月22日 (木) 04時40分
名前:伝統


     *『涙が出るほどいい話』(第1集)河出文庫(P17〜18)より
 

  私が父を亡くしたのは、小学校へ入学したばかりの春でした。

  オートバイで土手を走っていて、歩いている人をよけようとして
  ハンドルをあやまり、オートバイごと転げ落ちてしまいました。

  お酒を飲んでいたのです。

  そして不運にも相手の人をも巻き込んでしまったのです。

  二人とも瀕死(ひんし)の重症を負い、打ち所が悪かった父は3日後に亡くなり、
  相手の方がなんとか助かったのだけがせめてもの救いでした。


  一家の大黒柱を亡くした我が家は、
  幸せの絶頂から奈落(ならく)の底へと落ちてしまいました。

  耳の不自由な祖母は、何かの役に立とうと腰を二つに折りながら畑仕事に精を出し、
  母は一家を支えるために早朝から夜遅くまで機(はた)を織(お)る。


  そんなころ、毎年クリスマスになると、
  大きなケーキとプレゼントが届くのを楽しみに待っていたものでした。

  その贈り主が、父が交通事故に遭(あ)わせてしまった人からだと知ったのは、
  何年もしてからでした。

  自分も瀕死の重傷を負いながら、こんな形で見守ってくださっていたとは…。

 
  人を思いやるやさしい気持ちを感謝しました。
  父や母の友人、近所の方々も温かく見守ってくださったからこそ、
  明るい気持ちで生活できたのだと思います。

 
   (ここまでが、「サンタさん ありがとう」からの引用でした) 


交通事故の患者さんで被害者意識が強い人は治りにくいと言われます。

交通事故で、しかも酒酔い運転で、相手から重症を負わされたとしたら、
その人を許す人など皆無に近いでしょう。

特に昨今は皆、被害者意識が強く、その傾向は顕著(けんちょ)ですので、なおさらです。

しかし、相手を非難し、呪(のろ)い、罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせ、
相手を、「一生許さない!」と、そのことだけに執念を燃やし、膨大(ぼうだい)な時間を
費やすのは、あまりに、つまらない人生になってしまいます。


相手を『許す』、この語源は『緩む』と言われております。

許せないとなるならば、緩まないという状態が続きます。
心も身体も緩まないでいると…病んでしまいます。


この話「サンタさん ありがとう」は、『許す・赦す』『感謝』
そして『愛念』の大切さを示唆しているのではないでしょうか。

            <感謝合掌 平成23年12月22日 頓首再拝>


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