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非武装信仰板

1182シャンソン:2017/09/04(月) 16:07:08
>>1181

 残酷にも、彼の手持ちのお金はそろそろ底をつきかけてきました。
昔は銀座でバラまくほどお金には困っていなかったのに、「つましく暮らす」と決めて、
財産はすべて人に譲ってしまったからです。今さらどうすることもできず、
退路を断たれたRさんは、山の上から飛び降りることを決意します。

 ある日Rさんが八ヶ岳に登り、いざ谷底に身投げしようと観念した時。思い残すことはなかったはずなのに、
彼は自死を選ぶことができませんでした。
 Rさんの後ろ髪を引いたのは、遠くから聞こえてきた、いつも世話をしている犬たちの鳴き声でした。「帰ってきて!死なないで!」と
犬たちは叫んでいるようでした。

 「あの犬たちを放っては死ねない」、そして「お母さんより、先に死ねない.....」。そう決意したRさんは、生きることを再び目指すkとにします。
それからRさんはガンを抱えながら、貧しいながらも清らかな心で、獣医さんの家での住み込みを続けます。
一方で以前、Rさんはボランティアで、別荘地の庭をきれいに刈り込み丁寧に整備をしたことがありました。その別荘地の持ち主は大変喜んだそうです。
するとどうでしょう、それは東京にある大病院の外科部長だったのです。

Rさんはあきらめていたガン治療をはじめることができたのです。
八ヶ岳の病院で受診した時は「保険診療内では難しい」と匙を投げられていたRさんですが、「保険が適応される」ということが発覚、高額な出費にはならないこともわかりました。
そしてRさんは今もガン治療を受けながら、「奇跡の人」と呼ばれ、周囲の人たちに勇気を与えながら生き永らえています。Rさんの生きがいは今、母親を見舞うことと、犬の世話、そして地域への献身です。

このような自分以外の存在への愛情が、彼の人生を支え、何度も希望を沸き上がらせたのです。
「お母さんより、先には死ねない」という想いも、彼の命を永らえさせたのです。
「自分の得になるかどうか」という打算を超え、「何でもいいから人のお役に立ちたい」。そう願う本能が、人間の深いところには備わっています。
それは、時として大きな苦しみを乗り越え、生き抜く力にもなってくれます。

 だから日常生活でも「小さいお役立ち」を習慣にしていくことは、とても大切なのです。
ささやかでよいので、1日に1回は自分以外の誰かの役に立つことを行うようにしていきましょう。
「どうすれば、他人の役に立てるだろうか」と考えることを習慣化すれば、周囲への愛情は自ずと芽生えてきます。
自分の役割を、心を込めて果たしていくことも、大きな社会貢献です。

  『死は人生で最も大切なことを教えてくれる』 鈴木秀子 著


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